2007-12-25から1日間の記事一覧

カート・ヴォネガットの遺作『国のない男』を読む。

ヴォネガットは、主に『タイタンの妖女』と『スローターハウス5』と 『母なる夜』によって、かつて私の中でカルチャーヒーローとなっていた男 なのだが、9・11以降のこの不穏なご時勢、ひょっとすると濁世に心底愛想を 尽かし、ボコノン教の向こう側に行って…

『SFマガジン』1月号その2(『ドラッケンフェルズ』三部作について)

テッド・チャン特集により、『SFマガジン』1月号を心から堪能した私だったが、残念なところもあった。 それは、今年度の最良の収穫のひとつと言っても過言ではない、ジャック・ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』『ベルベットビー…

『SFマガジン』1月号(テッド・チャンについて)

『SFマガジン』1月号のテッド・チャン特集をひととおり読む。 基本的に、収録されている作品群は、エッセーやインタビューを含め、 ある種のコンセプトに則ってまとめられている、といった手触りがある。 ふだん、大森望の翻訳に関しての選択眼は高く評価し…