『掠れた曙光』が双子のライオン堂でも買えるようになりました。

 東京・赤坂にある双子のライオン堂書店においても、『掠れた曙光』が購入可能になりました。双子のライオン堂の通販でも買うことができます。

「図書新聞」2019年11月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五七回 主体性なきショーアップという惰性へ抗うためのシミュレーション」が掲載

 発売中の「図書新聞」2019年11月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第五七回 主体性なきショーアップという惰性へ抗うためのシミュレーション」が掲載されています。
 今号は、台風19号の被災地の「棄民」を実質的な「生け贄」として遂行された「即位礼正殿の儀」を批判しつつ、以下の作品を取り上げています。

・田中里尚『リクルートスーツの社会史』(青土社
宮内勝典『南風』(新装版、石風社
宗近真一郎柄谷行人 〈世界同時革命〉のエチカ』(論創社
岸田将幸『詩の地面 詩の空』(五柳書院)
・木村友祐「幼な子の聖戦」(「すばる」)
・高原到「テロリストが、生まれる――「セヴンティーン」「政治少年死す」」試論(「群像」)
・中西智佐乃「尾を喰う蛇」(新潮新人賞受賞作)

第40回日本SF大賞推薦文

 岡和田晃日本SF作家クラブ会員として、次の5作品を第40回日本SF大賞にエントリーしました。以下推薦文となります。こちらにも内容を記しておきます。

 


図子慧『愛は、こぼれるqの音色』

 図子慧の『アンドロギュヌスの皮膚』以来6年ぶりの単著である。ポスト・サイバーパンクSFと本格ミステリの論理をそれぞれ融合させ、性愛と音楽という、文章では直接的に表現しづらい題材をきわめて技巧的に伝えている。惹句を踏襲するわけではないが、とかくSF界は図子慧へ的確な評価を与えることができずにいたのは間違いないだろう。例えばSF大賞で評価軸として求められる「新しさ」を、一見したところの新規性と短絡的に解釈することで――本作が体現するような――綾なされる襞の部分を取り逃してきたのではないか。過去の受賞作に比して、水準的にも何ら見劣りしないものと確信する。

 

仁木稔「ガーヤト・アルハキーム」

 仁木稔、『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』以来5年ぶりの新作小説となる。本来であれば、『ミカイールの階梯』で日本SF大賞どころか世界幻想文学大賞をとっていても決して驚かない。本作は著者の未来史〈HISTORIA〉シリーズとは独立した短編であるが、長編並みの密度がある。イスラーム神秘主義をめぐる錬金術ファンタジーという体裁をとっている。だからといって、史実に従属するわけでも、歴史修正主義とも異なる。むしろ史実の捉え方、パラダイムそのものを刷新しようという野心があるのだ。仁木稔のブログで記された作家自註を参照すれば、私が何ら「話を盛って」いないとわかるだろう。

 

松本寛大「ケルトの馬」
 リバイバル・ブームが続く『クトゥルフ神話TRPG』の日本語版スタッフとして知られる著者の久方の新作小説は、同シリーズの『クトゥルフカルト・ナウ』の設定とも一部リンクする幻想短編だ。作家の『玻璃の家』、『妖精の墓標』は、島田荘司流の認知科学とミステリの融合のアップデートがSF史的に見てもユニークだったが、そこで語られた現実と幻想の断層が、「ケルトの馬」ではブレグジットテロリズムという現代の状況に噛み合わされ、多角的な解釈を可能にしている。作家はミステリ評論も精力的に発表しているが、そこで培われた批評性が表出されている。SF大賞はもっと幻想短編を顕彰すべきとの提言を込めて、ここに推薦する次第だ。

 

シャドウラン 5th Edition』(ゲーム)、ジェイソン・M・ハーディー著、朱鷺田祐介シャドウランナーズ訳

 現代SFのあり方を論じるにおいて、ゲームで培われた豊穣な文脈を無視することはできない。1989年の初版以来、『シャドウラン』はミラーシェード・グループが培ったサイバーパンクの原風景を、ゴシックファンタジーと融合させることで、ゲームの世界観をそのまま、現代のレイシズムへの批判とする離れ業を見せている。かのケン・リュウが愛好したというのも頷ける話だ。最新第5版は、フルカラー・ルールブックに収められた旧版のイラストギャラリーが示すように、集大成といった趣がある。だが、圧倒的なボリュームにもかかわらず、プレイアビリティはグンと向上している。旧版がSF大賞の候補にすら上がっていなかったのが不思議だが、改めて日本のSF文壇が『シャドウラン』を「発見」することを強く期待する。

 

『幻想と怪奇の英文学III 転覆の文学編』(評論)ローズマリー・ジャクスン著、下楠昌哉

 ナンバリングタイトルだが独立した一個の評論書。英語圏ではフィクションの幻想性を研究するうえでの基本書として定着している本作が、ようやく全訳された。ジャクスンは本書で、リアリズムの覇権を打ち砕き、破壊し去るために、複眼的な混乱こそを重視し、その際に含まれる政治性に着目する。例えば『フィーメール・マン』のジョアナ・ラスを引くことで、あるべき仮定的な現実をも否定の形で提示するジャクスンの視点は、今のSFがもっとも欠いているものだ。近年、残念なことに少なからぬSF関係者が反フェミニズムの帰結としての「女叩き」の旗を振り、惨憺たる政治的現実を追認し強化しようとしている。そうした残念な文脈とはまったく異なる、ゴシックでパンクな道筋を示した礎として重要だ。

 

※過去、受賞歴のある作家については外しました。 

 

 また、渡邊利道さんが『掠れた曙光』を、吉里川べおさんが『傭兵剣士』を、それぞれ推薦してくださいました。ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

2019年10年27日の北海道新聞日曜版の「韓国を知るための本」10選に参加

 ‪本日2019年10年27日の北海道新聞日曜版の「韓国を知るための本」10選(古家昌伸記者)の文学編に、川村湊姜尚中の両氏とともに参加しています。

 私はチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、黄英治『こわい、こわい』(三一書房)を推薦しました。ぜひご覧下さい。‬

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こびとが打ち上げた小さなボール

こびとが打ち上げた小さなボール

 

 

こわい、こわい (短編小説集)

こわい、こわい (短編小説集)

 

 

『掠れた曙光』が、2019年度の茨城文学賞詩部門を受賞

‪ 私が今年出した第一詩集『掠れた曙光』(幻視社)が、2019年度の茨城文学賞詩部門を受賞しました。
 本日2019年10月27日の茨城新聞朝刊に載っています。「さまざまな語り口で現代詩の新分野を切り開いた」との審査評。
 11月上旬には同紙に受賞者インタビューが掲載される予定です。‬皆様に感謝します。

 

 ウェブでも報道が出ています。

 

 

 

 Yahoo!ニュースにも出ました。

 県芸術祭(県、茨城文化団体連合、茨城新聞社など主催)の文学部門実行委員会(武子和幸実行委員長)は26日、本年度の「茨城文学賞」と「茨城新聞社賞」の受賞作を発表した。(……)詩が岡和田晃さん(38)の「掠れた曙光」

headlines.yahoo.co.jp

「Role&Roll」Vol.181に、『エクリプス・フェイズ』のシナリオ「シンギュラリティ・ろくろ首」が掲載

発売中の「Role&Roll」Vol.181に、『エクリプス・フェイズ』のシナリオ「シンギュラリティ・ろくろ首」が掲載されています。通信速度が低下して、住民皆が「与太郎」と化してしまうハビタットに待ち受けるのは?! 三遊亭楽天さんの落語から着想された、ポストヒューマンSFパワーワードシナリオです!

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Role&Roll Vol.181

Role&Roll Vol.181

 

 

「SF Prologue Wave」2019年10月20日号に、「Role&Roll」Vol.180掲載の「スペース人形浄瑠璃怪談――阿古屋の琴責」の紹介が掲載

一般社団法人日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」2019年10月20日号に、「Role&Roll」Vol.180掲載の「スペース人形浄瑠璃怪談――阿古屋の琴責」の紹介が掲載されています!

prologuewave.com