「Role&Roll」Vol.179に、『エクリプス・フェイズ』のシナリオ・ソース「トランスヒューマンは知性化イルカの夢を見るか?」が掲載

 発売中の「Role&Roll」Vol.179に、『エクリプス・フェイズ』のシナリオ・ソース「トランスヒューマンは知性化イルカの夢を見るか?」が掲載されています。今回はデータ中心の仕上がりです。追加義体あります!「ネオピッグの海兵隊員」、「ウィップラッシュの探索者」の新サンプルキャラクター付き!

 

Role&Roll Vol.179

Role&Roll Vol.179

 

 

 

「ナイトランド・クォータリーvol.18 想像界の生物相」および「ナイトランド・クォータリー・タイムス」Issue.03紹介

 「ナイトランド・クォータリーvol.18 想像界の生物相」が好評発売中です。

 国立民族学博物館の「驚異と怪異 想像界の生き物たち」とタイアップした企画で先行発売もあります。私はチーフ・エディターなのですが、プロジェクトマネージャーの岩田恵さんと二人三脚で作りました。

athird.cart.fc2.com
 以下、収録作を紹介! まずはアーサー・コナン・ドイルの怪奇短編「大空の恐怖」の新訳です。ご存知、名探偵ホームズの生みの親ですが、これ、クトゥルー神話ものに入れてもいいくらいじゃないかと思う名編。Vol.16でクラーク・アシュトン・スミスを訳した田村美佐子さんの、美しい新訳でご堪能ください!

 続いてE・ホフマン・プライス「クルディスタンの異邦人」。ラヴクラフトの盟友で「銀の鍵の門を越えて」を共作した作家ですが、小説の邦訳は極端に少ない! Vol.7で私が論じた作品を1925年の「ウィアード・テールズ」から全訳しました。この作品、D&DやT&Tにおける「邪悪な神殿」の原型だと思います。

 ポール・ヘインズ「マレクの復活」。これはなんとVol.1以来のショートショートです! オーストラリア圏を代表する短編作家で、オーストラリアのSF文学賞ディトマー賞の常連作家ですが、なんと本邦初紹介。2005年のSFウェブジンから版権をとって訳しました。凄絶なる世界観に打ちのめされてください!

 タラ・イザベラ・バートン「レオポルトシュタット街のゴーレム」。こちらも版権とって本邦初紹介です。著者は「ニューヨーク・タイムズ」「オブザーバー」ほかで書評された、英語圏で評価の高い作家。故・小川隆さんならば「スプロール・フィクション」と読んだであろう傑作。訳は待兼音二郎さん!

 クリスチャン・ライリー「山の中へ、母なる古齢の森の中へ」、ライリーも日本初紹介ですね。〈ウィアード〉なフィクションの書き手として注目されていますが、スペキュレイティヴな要素もあり、クトゥルー神話に興味がある人は、いっそう楽しめます。私はあの神格だと思うなあ。訳は大和田始さん。

 アンジェラ・スラッター「リトル・マーメイドたち」、世界幻想文学大賞受賞作家のスラッターがVol.17に引き続いて登場です。今回はアンデルセンやディズニーでおなじみ『人魚姫』の変奏ですが、そもそも伝承によって「人魚」って複数の解釈が出来ますよね。多義的に読み込める傑作。訳は徳岡正肇さん。

 ウィリアム・ミークル「書斎の中のもの」。本誌で紹介してきたミークルが、W・H・ホジスンの心霊探偵カーナッキを書き継いだ、その最新作をご紹介。2019年のアンソロジーに載る予定なのですが、日本語版の方が早くお届けできました。訳は「ウィアード・テールズ」などに参加されていた渡辺健一郎さん。

 そして、M・ジョン・ハリスン「ラミアとクロミス卿」。「ニュー・ウィアード」を提唱し、「純文学」の作家たちからも熱い尊敬を受けるイギリス文壇の大御所ですね。『風の谷のナウシカ』も影響を受けたという『パステル都市』の原型中篇サイエンス・ファンタジーを、大和田始さんの訳でお届けします。

 M・ジョン・ハリスンの他の作品は訳されないのか、というご質問をTwitterでいただきましたが、それはぜひ誌面でご確認を!(引っ張っていくスタイル)。そうそう、E・ホフマン・プライスとポール・ヘインズは岡和田晃が訳しました。これで翻訳作品紹介は一段落。


 日本人作家の紹介。仁木稔「ガーヤト・アルハキーム」は、小説としては4年ぶりの新作、マジック・パンクです。近年、「TH」で仁木さんはイスラーム世界に関する優れたエッセイを書いていましたが、それと連動するような内容です。今号のNLQですと山中百里子さんの仕事にも通じます。短編なのに重厚!

 朝松健「〈一休どくろ譚・異聞〉一休葛籠」は、読者の方から熱いリクエストが上がっていた、一休シリーズの新作です! 「すずめのお宿」の物悲しい歌に、一休と愛する森にまつわる、知られざる過去が重ねられます。『朽木の花』や、NLQのVol.4やVol.5とも響き合う内容で、朝松ファン必読ですね!

 開田裕治インタビュー「ノイズの中から生まれるイメージ」。怪獣や特撮関係でも著名なイラストレーターの開田さんに、ラヴクラフト、『モンスター・コレクションTCG』、フランク・フラゼッタへのオマージュなど、幻想文学という角度から切り込みました。素敵なギャラリーとあわせてご堪能ください!

 開田裕治さんには岡和田がお話を訊きましたが、三宅陽一郎インタビュー「AIは人間の幽霊を見るか」は徳岡正肇さんによるもの。ホラー誌らしく、AI(人工知能)にとって死とは何かという存在論的な観点から、三宅さんの知見が開陳されていき、スリリング。デリダならば「憑在論」に分類したでしょうね!


 【小特集】国立民族学博物館・特別展「驚異と怪異―想像界の生きものたち」
では、同特別展を紹介! ぜひ本誌を片手にみんぱくへGO! “怪異の音”を収集した貴重な映像資料/深泰勉、マンタム・選 想像界の生き物図鑑、能楽「土蜘蛛」──日常と地続きの怪異の恐ろしさ/待兼音二郎、の各氏の仕事です。

 「〜夜の国の幻視録 その2〜イブン・バイタール「マンドラゴラ売りの口上」は、藤原ヨウコウさんのヴィジュアルストーリー。妖しくも迫力がある美の世界。山中由里子さんの英語論文から、マンドラゴラの売り口上を私が訳し、松島梨恵さんが「「犬とマンドレイク」中国へ渡る」と解説を添えました。


 お待たせしました。安田均さんの新連載〈アンソロジーに花束を〉が始まります! 「第一回 謎の物語」では、紀田順一郎さんのアンソロジー『謎の物語』から始まり、近年、安田さんが注目しているゲームにおけるリドル・ストーリーとの関係が論じられ、さらには未訳のアンソロジーにまで踏み込みます!

 映画について。私の「塹壕からの「準創造」 ――『トールキン 旅のはじまり』」は注目の新作を詩の観点から論じました。その他、深泰勉さんが「ヴンダーカンマーの時代とモンスター映画の間 ゴーレム編」および「人魚編」、加藤浩志さんが「台湾土俗ホラーが怖い!」と、該博な知識で映像文化を紹介!

 深泰勉さんは、石神茉莉『蒼い琥珀と無限の迷宮』の紹介も書いています。また、ゲームについては徳岡正肇さんが、「「DOOM」 ――怪物と踊るビデオゲームの快楽」と題し、FPSの古典にして最新系でもある『DOOM』を紹介していますよ。


 ブックガイドは岡和田が4本担当。「眩惑と驚異のメタテクスト空間へようこそ」は海外作家。ウナムーノ、アンジェラ・カーター、イアン・バンクスについて。「人間ならざるもの」が未来と過去を相対化する」は日本人作家。内田百閒、小熊秀雄小松左京、酉島伝法、上田早夕里について、それぞれ紹介。

 ブックガイドはノンフィクションも扱っています。「双角の預言者、あるいは錬金術師の父祖──山中由里子アレクサンドロス変相』を素描する」は博士論文ベースの研究書について。「想像界の生物相を探究するために」は、『幻想世界の住人たち』、『ゴーレムの表象』、『憑霊信仰論』や未訳書など。

 「「想像界の生物相」に寄せて」は、いわためぐみさんによる巻頭言。友成純一さんは迫真のエッセイ「バリ、ダイビング・ポイントの怪」と「バリのレヤック」で、実話怪談(?)めいた恐怖の逸話を開陳します。深泰勉さんが、「「サンヒャン・ドゥダリ」に描かれる魔女の系譜」で背景をカバー! 

 

 なお、今号から編集体制が強化されて、優秀な編集者さんたちが増えました。そのことは、誌面のいっそうの充実という形で反映されていると思います!

 ちなみに古典以外はいずれの作品も、版権を取得して出しております。念のため。

ナイトランド・クォータリーvol.18 想像界の生物相

ナイトランド・クォータリーvol.18 想像界の生物相

 

 版元およびFujisan.co.jp経由での定期購読者の方々に「ナイトランド・クォータリー」Vol.18と、特典「ナイトランド・クォータリー・タイムス」Issue.03が届いている頃です。私は「「トーテンレーベンの三博士」と「怪奇小説翻訳概況」が最高!」と題し、「ミステリーズ!」Vol.96の「怪奇・幻想小説の新しい地平」を紹介していますよ。

岡和田晃『反ヘイト・反新自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』(寿郎社)が電子書籍化

岡和田晃『反ヘイト・反新自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』(寿郎社)が電子書籍化されます。ぜひご購読ください!

Amazon.kindle

反ヘイト・反新自由主義の批評精神

反ヘイト・反新自由主義の批評精神

 

 
紀伊國屋書店kinoppy

https://booklive.jp/prod…/index/title_id/20022578/vol_no/001


・BookLive

https://booklive.jp/prod…/index/title_id/20022578/vol_no/001

 

 電子版はこのように、目次から各論文にまでハイパーリンクを介してジャンプできるようになっています!

 

「ALL REVIEWS」に、クリスティーナ・ダルチャー『声の物語』の書評が転載

 書評アーカイブサイト「ALL REVIEWS」に、クリスティーナ・ダルチャー『声の物語』(早川書房)の書評(「SFマガジン」2019年8月号)が転載されました。ただし、タイトルのみ変更となっています。以下のリンク先から無料で読むことができます。

allreviews.jp

 Yahoo! ニュースにもなっています。

headlines.yahoo.co.jp

「三人が、読む!『北園克衛モダン小説集 白昼のスカイスクレエパア』」、第2回が更新

 シミルボン連載「三人が、読む!『北園克衛モダン小説集 白昼のスカイスクレエパア』」、第2回が更新されました。フーゴ・ハルさん、シミルボン編集部黒澤俊邦さんとのセッションです。

【シミルボン】2:コンクリート・ポエムとタイポグラフィ

shimirubon.jp

「三人が、読む!~『白昼のスカイスクレエパア 北園克衛モダン小説集』」が始動

 シミルボンのメガ連載「三人が、読む!」の新シリーズが始動しました。

 ゲームブック作家のフーゴ・ハルさん、シミルボン編集部の黒澤俊邦さんと、現代詩と小説を越境し、モダニズムとは何かを考察していきます。

 今回のお題は、『白昼のスカイスクレエパア 北園克衛モダン小説集』(幻戯書房)! 以下のリンクからすべて無料で読めますので、お気軽にどうぞ!

t.co

白昼のスカイスクレエパア

白昼のスカイスクレエパア

 

 

「北海道新聞」2019年8月21日朝刊に朗読会情報が掲載

詩誌「フラジャイル」最新6号をお送りいただきました。店売りもある詩誌で、巻頭に拙作の現代詩「海賊コンラッドの出奔」が掲載されています。

 バイロンの小説を下敷きにしたほか、批評的フックも盛り込んでいます。24日の旭川ときわ市民ホール14:00よりのイベントで、本作等を朗読します。予約不要!

åçã®èª¬æã¯ããã¾ããã

本日2019年8月21日の北海道新聞朝刊で、同24日14:00より旭川のときわ市民ホールで開催される現代詩の朗読会の告知が掲載されています。紙面では、わざわざ私にも言及いただき恐縮です。皆さまのご来駕をお待ち申し上げます。

 

f:id:Thorn:20190822152821p:plain

åçã®èª¬æã¯ããã¾ããã