季刊『R・P・G』vol.3(国際通信社)

 せっかくブログを持っているので、宣伝しちゃいましょうか。リアルで私と知己のある方はご存知だと思うのですが、しばらく前から商業誌で記事を書かせていただくようになりました。

 で、今回、個人的にずーっと憧れていた雑誌、『R・P・G』(国際通信社)の最新号(Vol.3)に、記事を書かせていただきました。7月25日発売でしたので、そろそろ書店やゲームショップにも並び終わっている頃だと思います(見本誌も届きましたし)。


 米田仁士先生の表紙が、なんというかため息が出るほど美しいので、ぶっちゃけた話、表紙をおがむだけでも価値があります。ぜひぜひ手にとって下さいまし! 『ウォーロック』のバックナンバーをコレクションしていた身にとってはたまりません。記事内容にも、うならされることしきり。


 書影は↓から。
http://www.rakuten.co.jp/a-game/1793368/1821348/


 ちなみに『R・P・G』とは、『ウォーロック』(社会思想社)・『シミュレイター』(翔企画)・『タクテクス』(ホビージャパン)・『ゲームグラフィックス』(大日本絵画)、『オフィシャルD&Dマガジン』(新和)など、本格的なRPG雑誌の優れた部分を継承している雑誌で、『D&D』、『クトゥルフの呼び声』、『トラベラー』、『ウォーハンマーRPG』などの本格派RPG、『ナイトメアハンター=ディープ』、『カットスロート・プラネット』などの期待の新作を貪欲に取り上げているところに、特徴があります。


 論考といっても、特定のシステムを所持していないと理解できないようなものは少なく、RPGをプレイするうえで、あると役に立つ「周辺領域情報」の充実がキーワードとなっています。
 個人的に、RPGを長く続けていると、煩瑣なルール知識よりもこうした「周辺領域情報」の重要性を噛み締める機会が多いので、「周辺領域情報」に重きを置いた編集姿勢には、手放しで賛同してしまいます。かつて『オフィシャルD&Dマガジン』や『別冊D&Dマガジン』の記述(「幻想教養講座」とか、「DM対談」とか)に身もだえしていた身にとっては、たまりません。


 また、基本的に、(どのようなジャンルであっても)雑誌という媒体は広告収入で成り立っているところがあるのですが、この『R・P・G』、ほとんど広告が載っていません。雑誌の版元が絡んでいる製品や、書泉ブックマートの広告が申し訳程度にあるくらいです。
 どうしてそれでやっていけるのかはわからないのですが、そのぶん、紙面全体に、自由な空気が流れているように思えます。単なる売れた売れないという次元を越えた、新しい価値を提示してくれる可能性が垣間見えるのです。


 さて、私は傑作SF-RPG『トラベラー』について6ページほど書いております。タイトルは『若き「トラベラー」のための航海図』。『トラベラー』を軸に、SF−RPGをプレイする際の心構えというか予備知識を、いままでにない切り口で語った(論じた)、という体裁になっております。


 『トラベラー』は本当にすさまじいRPGです。
 これが1977年の時点で作られていたとは、とうてい信じられない。そのことに、RPGというジャンルが大きく発展していく可能性があると、私は思っていたりします。

 かつて、『D&D』が創り上げたRPGの基本的な型というものがあります。それは、[事件発生]→[調査]or[葛藤]→[戦闘による解決]という流れで、ひとつのシナリオを解決し、そのサイクルが続いていく、というものです。


 ところが『トラベラー』は、ある種『D&D』的な「型」を反芻するのではなくて、プレイヤーが主体的に意思決定を行ない、物語を切り開いて行かなくてはならなりません。


 基本的にRPGは、「モンスターを倒して成長するゲーム」みたいな言われ方をなされることが多いのですが(確か、大学時代、したり顔で教授に講義されたことがありました)、『トラベラー』はそうした路線を完全に外して、なお楽しい。不思議で仕方がありません。


 戦闘も、全然やらなくても楽しめる。映画的なシーンやシチュエーションを無理に再現しなくても、盛り上がる(もちろん、映画のシーンを再現したり、映画のキャラクターをコンバートしたりすることも[モノによっては不可能なものもありますが]充分、可能になってます)。


 こうした『トラベラー』ならではのスタイルというものがありまして、この手の楽しさを知っておくということは、必ずやRPG生活においての幅を広げるのに役に立つ、と思うのです。で、どのような世代にも通じる方法で、なんとか『トラベラー』の遊び方を紹介できないか、と腐心して記事を作成いたしました。よろしければ、読んでやって下さいな。


 また、『R・P・G』の3号には、6月に行なわれた『TRPG上陸25周年記念コンベンション』のレポートを2ページ、挙げてあります。贅沢なイベントでした。来年も26周年記念コンベンションがあるらしいので、とりあえず雰囲気だけでも感じ取ってやって下さいまし。
 
 『Role&Roll』などほかの雑誌記事について、あるいは参加したイベント体験記なども、簡単ですがおいおい書いていきます。

R・P・G vol.3―本格派アナログゲーム情報誌

R・P・G vol.3―本格派アナログゲーム情報誌