「Worldwide D&D Game Day」その2


 今月頭、「Worldwide Dungons&Dragons Game Day」というステキなイベントがありました。
 これは、「11月3日はD&Dの日!」というわけで、世界1000箇所で20000人のプレイヤーたちが、同じレギュレーションで同じシナリオをプレイする、という一大イベント。
 今年は日本でも開催のはこびとなり、北海道から沖縄まで27箇所で開催されました。


 そして、以前も書いたとおり、幸運なことに、私はこのGame Dayの公式シナリオ、『フロストシルヴァーの凋落』の翻訳とデータ調整の仕事をさせていただきました。


 フォーゴトン・レルム関係の翻訳ができるとは夢じゃないかしらん、と思いつつ、シナリオを訳したわけなのですが、やはり、例えば『トンネルズ&トロールズ』の『ベア・ダンジョン』や『クトゥルフの呼び声』の『悪霊の家』のように、共通の話題として、このGame Dayを持つことができていたというのが、すばらしい。


 実際、北米やドイツだけじゃなくて、チリ、ペルー、ギリシア北アイルランドウクライナイスラエルなどでもGame Dayは開催されており、彼らも日本と同じく、フロストシルヴァーのダンジョンを共通の話題として、語ることができる。


 これは、何気にすさまじいことではないかと。
 既にRPGで世界が繋がっているわけじゃないですか。


 とりわけ、『D&D』のようなアナログゲームは、長時間対面で、ひとつのタスクに取り込むという性格があるわけで。逆を言えば、参加者同士の関係性が密にならざるをえない。そのよい意味で濃密な体験が、世界の人々と共有されているというわけ。


 ぶっちゃけ、ゾクゾクします。


 さて、ようやく、都内某所にて、私もGame Dayのダンジョンマスターをすることができました。 
 これでイスラエルの仲間とフロストシルヴァーの話で盛り上がれる!


 参加PCは、以下のとおり。


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ドゥルヴェン・フロストシルヴァー/ドワーフパラディン4(モラディン)。最近、洋ものRPGに関心を示しているY君。掃討モードになったときにようやく「悪を討つ一撃」が放てることができた。


モルン・フロストシルヴァー/ドワーフクレリック4(モラディン)。プレイヤーはキャンペーンメンバーのレオン君。ルール習熟度、フレーバー理解ともに非常に深かった。


ガヴィン・ガロウスリー/スローイングアックス二刀流ハーフリングファイター2・ローグ2。プレイヤーはSさん。両手同時にスローイングアックスを投げる有志に全米、いや、世界が泣いた。


タラ・レッドスタッグ/ドワーフ大好きっ娘。通称「タラちゃん」。プレイヤーは『D&D』ははじめてのM君。けっこう楽しんでいただけたようで、何より。


ザフィニア・リアドン/義理堅きエルフのソーサラー4。スコーチング・レイにこだわり続ける女。プレイヤーは、久々に同卓したKさん。


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 私のマスタリング方針としては、可能な限りシナリオに忠実に。ぶっちゃけ、フレーバーとして必要なものはシナリオにすべて盛り込まれていると仮定して、シナリオの「こころ」を活かすマスタリングを心がけました。


「メフィっとしたアレ」に悩まされたものの、無事、フロストシルヴァーの遺跡を我が物に。


 いちばん喜んだのは、実はガヴィンで、「スローイングアックスの貴公子」の名前を、広くアイスウィンド・デイル中に轟かせましたとさ。


 プレイヤーの評判も上々。
 RPGが成功したかどうかの基準のひとつとして、「参加者がそのシステムのルールブックを買いたくなるかどうか」という話を聞いたことがあります。個人的には、ルールブックを買いたくなるよりも、「その人とまた遊びたいと思ってもらったか」をまずは重視したいところですが、やはり「ルールブックが欲しくなった」と初心者に言われると、嬉しくなるのも事実。


 げにありがたや、『D&D』の輪。