BH85

 ものすごく情報が遅いが。森青花の『BH85』、徳間デュアル文庫から復刊してます。


 『BH85』は、
 も の す っ ご く 気 持 ち 悪 い 作 品 で す。


 世界破滅型のフィクションが、その軸として「自意識」ばかりを取り上げるのが流行っていた当時、それとは正反対に行ったのがすごい。
 世界の圧倒的な無慈悲さ、近代的な「自然」ではなく、あくまでも手付かずの自然、のキモチワルサを、こんなほのぼの書いてよかったの? と、驚きました。

 日本的なアニミズム、あるいはIPS細胞との関係性とか、色々興味深いフックがありますね。
iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書)

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 この復刊がよい流れに繋がればなあ。個人的には、ファンタジーノベル大賞系だと井村恭一の『ベイスボイル・ブック』が絶版なのはおかしいと思うのですが。「不在の姉」などの近作とカップリングしてどこかで出ないものでしょうか。
ベイスボイル・ブック

ベイスボイル・ブック