なんとなくご存知ない方が多い気がするのですけれども、アナログゲーム者には『メタルヘッドエクストリーム』などのイラストワークですっかりお馴染みの見田航介さんは、実は発売されたばかりの『ウォーハンマー・コンパニオン』の翻訳も手がています。
その見田さん、以前こちらのブログに『ウォーハンマーRPG』のプレイリポートを書いて下さいました。・見田航介さんのプレイリポート
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20080717
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20080921
さて、今回は見田さん、『ウォーハンマー・コンパニオン』の紹介文を書いて下さいました。
とてもわかりやすく、サプリメントの特徴がよくわかる紹介文ですので、ぜひご覧下さい。
さてさて、以下拙文ですが、私なりの『ウォーハンマー・コンパニオン』の紹介文など書いてみます。
ウォーハンマーといえば、泥臭く生活臭のする舞台と、生き抜かんとする意志の灯火で絶望の闇の中にかすかな道を探すような、その世界観が大きな魅力と言えるだろう。
そして私が好きな点は、それだけ綿密な背景設定を用意していながらも、それが決してGMを窮屈にさせぬよう、常にGMの自由裁量を保証しているところだ。
GMは自分のゲームに相応しいよう、多くの部分を自分の判断で決定していくことができる。
とはいえ、ゲームを進める中、特定の処理にある程度のガイドラインや情報があったほうがやりやすい、という人もいるのではないか。
『ウォーハンマー・コンパニオン』は、まさにそう言ったGMとプレイヤーの期待に応えるサプリメントである。たとえば、こうした疑問に悩んだことはないだろうか?
・混沌変異を顕現した人間が社会の中で生活する方法はあるのだろうか?
・河に落とされたPCたちが溺れる危険性はどのくらいだ?衣服だけの者と中装鎧を着た者では?
・PCがうまく嘘をつけるかどうか判定するのは〈世間話〉技能かな、〈魅惑〉かな?
そうした疑問への回答や、その他様々なプレイングの助けとなる情報やヒントが詰まっている。
おなじみの追加キャリアや追加クリーチャーのデータ。
どのシナリオでも登場させうる酒場や火薬店、また砲手としての技能を学べる「帝立砲術大学校」の案内。
エンパイアの有力者や芸術家の中にひそかに浸透している混沌の教団の構造。
交易、医療、裁判といった特別なイベントを処理するための詳細なルール網。
また、ティリアの2つの都市の紹介も興味深い。
“海賊王”たちが法の干渉をはねのけている『真の自由都市』サルトサでは、船を扱うキャリアや傭兵となれるキャリアの者が海賊家業に参入したり、商船の護衛として雇われるチャンスが転がっているだろう。
古よりの洞窟網を擁するトバロでは、海底の沈没船や洞窟の奥深くに手つかずの財宝が―そして手つかずの危険が―眠っているかもしれない。遺跡荒らしや墓荒らし、鉱夫が一攫千金を狙うには絶好の場所だ。
基本ルールではほとんど触れられなかった「星座」の解説も、キャラクター造形のヒントとなるだろう。
ざっと読んだだけでも、「お、これ次のシナリオに使ってみようかな?」と思わせる情報が3つ4つ発見できるに違いない。シナリオにとどまらず、一つのキャンペーンを構想するだけのヒントにも十分なり得る。
そして同時に、先述の通り、これらは決して押し付けがましいものではない。
本書の内容は、ある狂人の取り留めのない書き付けを編纂したものとされている。
『オールド・ワールドの生物誌』などでも同様であったが、こうした仕掛けによってサプリに単なるデータ集ではなく読み物としての面白さを与えているとともに、この書き付けが真実か妄想かの判断は読者に任せる、つまり、ここに書かれたルールをどれだけ自分のゲームに取り入れるかは、やはりGMの自由裁量で決めて構わない、としているのだ。
君のプレイに彩りを加えるこのサプリを、是非手にとってみて欲しい。
・・・彩りはシアン化合物のような劇物によるものかも知れないが、なに、エンパイアではいつもの事だろう?
また、今回なんと『D&D』第4版特集の「GAME JAPAN」誌では、ベテランの『ウォーハンマーRPG』者であるところの森野たくみさんが、サプリメントの活用方法についての解説、それに『ウォーハンマー・コンパニオン』の紹介を書いて下さっています。こちらも必見です。
翻訳チームとしては、これ以降もどんどんサプリメントを訳していきたいと思っています。
それには、皆様の応援が必要不可欠なので(「オラたちに元気をわけてくれ!」)、どうぞ、「GAME JAPAN」のアンケートなどでの応援のほどをよろしくお願いします。
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