スケイブン・セッションだよ!


 たいへん遅れましたが、去る5月10日に東京・八王子で開催されました「ウォーハンマーRPGオンリーコンベンション」の簡単な記録をアップしてみます。
 そう、未訳サプリメント“Children of the Horned Rat”をフル活用した、スケイブン・セッション「優生計画」のプレイリポートですよ。
 この無謀な卓には8人もの希望者をいただきましたが、それではさすがに(私が)回しきれないので、泣く泣くいただいた自己紹介シートを参考にして半分の方には合いそうな他のGMさんの卓へと移っていただき、結果として4名のプレイヤーにご参加いただきました。

WFRP Children of the Horned Rat (Warhammer Fantasy Roleplay)

WFRP Children of the Horned Rat (Warhammer Fantasy Roleplay)

 それにしてもマーケットプレイスの“Children of the Horned Rat”がひどい値段だ。日本語版を出せるように、版元へ希望の声を届けてあげて下さい! あと、『救済の書』もよろしくです!
救済の書:トゥーム・オヴ・サルヴェイション (ウォーハンマーRPG サプリメント) (ウォーハンマーRPGサプリメント)

救済の書:トゥーム・オヴ・サルヴェイション (ウォーハンマーRPG サプリメント) (ウォーハンマーRPGサプリメント)


 さて、セッションは最初っからブラック・ユーモア全開。
 鈴木康次郎さんがプライベートで遊ぶために用意して下さったサマリーをもとに、キャラクターメイキングを進めていきます。
 キャラクター・メイキングの際に振る最初の1d10で「1」を出すと「選ばれし鼠」か「ブラック・スケイブン」になれるのだけれども、当然、そんないい目は出るはずない。ただ、あまりにもマイナーな氏族でもつまらないので、今回は、代表的な4氏族を、それぞれ割り当てていく形にしました。


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 セッションはエンパイアの首都、アルトドルフの地下、アンダー・アルトドルフから始まる。なんと12万あまりのスケイブン(アルトドルフの全人口より多い!)の巣食うこの地下で――PCたちは代表的なスケイブン氏族からの精鋭なのにもかかわらず――我が物顔で地上をのさばる人間どもへ、ろくに悪さをすることすらできていない。
 それもそのはず、まだたったの経験点500スタートなのだ。
 ウダウダしたゴミのような日々を過ごすなか、天啓のごとく「やるべきこと」が閃いた。


「チュー、ネズミ捕りってムカチュかね?」
「すゲー、ムカチュく」
「じゃあ、ネズミ捕りギルドを襲うでチュー!」


 かくして、若きスケイブンはアルトドルフの下水道をウロウロする。途中、なんと皇帝の宮殿に襲撃をかけると息巻くマスター・モウルダーの先輩を見つけるが、うまいとこ
ブチ殺してペットのラット・オウガを奪う。
 どうにかして<曲がり鼻>亭がネズミ捕りギルドの窓口だと知った一行は、下水道か宿の地下室へと渡り、ハーフリングのネズミ捕りたちへ襲撃をかける。
 ラット・オウガを操ってネズミ捕りたちを虐殺していると、そこに光の魔術師を初めとした冒険者パーティらしき者らが駆けつける。どうやら、ハーフリングの仲間たちらしい。
 しかし、得意の魔術も混沌変異で「秘術呪文完全耐性」を有したキナイプにはまったく効果を発揮せず、パーティはあっという間に粉砕される。


 かくして、憂さ晴らしをしたPCたちは、経験点2000を獲得し、それぞれ氏族の中堅どころにまで成長する。ところがそこに、アルトドルフに現れた聖女ギゼラの噂が……。


 というところで、各々の氏族の思惑が入り交じる四つ巴な展開になっていくわけです。
 シナリオのフックとしては、待兼音二郎さんの書かれた「街角の白衣の聖女」http://d.hatena.ne.jp/Machikane1192/20090530/1243680128をベースにした感じです*1
 加えて、モウルダー氏族の改造手術・スケイブン魔法を使ったり、ダウンロードマテリアルとして公開予定の「エンパイアのオウガ」を用いるなどのおまけ要素も加えてみました。


 セッションはおかげさまで好評で、「人間社会とはまったく価値感が異なるロールプレイができて斬新だった」、「ニヤニヤ笑いが止まらない」、「最初は一本道かと思ったら、とんでもない逸脱が起きて病みつきになりそうだった」、「翌日鏡を見たら自分の顔がネズミに見えた」(笑)などといった感想をいただきました。


 ちなみに、当日生まれたキャラクターは以下の通り。【運命点】は0か1という酷い事態に(笑)

「蜘蛛の尾長き」キーチュリック/モウルダー族のパックマスター/技能を活かし、ジャイアント・ラットのチュージャックを飼っている。後にマスター・モウルダーに昇格し、ラット・オウガを従えて生体改造に勤しむ。


「敬虔なる」ディジーザー/ペスティレン族プレーグ・モンク/スケイブンの多くは「角ありし鼠」を信仰しているが、ペスティレン族とあって、なんと腐敗の神ナーグルを崇拝している。後にはプレーグ・ディーコンにキャリアアップし、ナーグルの恩寵を授かり、さらにひどいことになる(笑)


「涎たらしの」デス・ドアー/エシン族のナイト・ランナー/もともとはエシン族で暗殺を旨としていた。だが、異種族のみならず、スケイブン氏族でも脅威とあらば手にかける。後にガッター・ランナーに昇格。おまけに、危険分子であるナーグル信徒「サロート」を排除する命を帯びる。


キナイプ/スクリール族のスカーミッシャー/アラビィから流れてきたスケイブン。昔はラクダが嫌いで、いまは馬が嫌い。途中、混沌変異で「秘術呪文完全耐性」を得てしまい、それによってもう酷いことに(笑)

*1:もちろん、見た感じスケイブンとは一切関係ない話ですが……関係ないからこそ、絡めると意外性が出て面白いのですよ