ご報告


 すでに(委細をご存知の)各方面よりお祝いをいただき、ウェブ上でも増田まもるさまや朱鷺田祐介さまをはじめ言及をいただいたうえ、Ghost Sound経由でも暖かいお言葉をさまざまな方からいただきました。
 ゆえに、黙っているのもかえって失礼にあたる段階へ来たのではないかと判断し、簡単ですが報告をさせていただきます。


 「「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃虐殺器官』へ向き合うために」という批評文にて、第5回日本SF評論賞の優秀賞をいただきました。
 http://www.sfwj.or.jp/hyoron.html
 

 これも、今まで応援をして下さった皆様のおかげです。



 ご存知ない方のために申し上げておきますが――拙稿で取り上げた作家は若くして亡くなった年長の友人です(『アゲインスト・ジェノサイド』で献辞を捧げました)。
 彼の容体が急激に悪化した際に、彼についての論考を準備している(から、生きていてほしい)と言いました*1。しかしながら無念なことに、恢復には至りませんでした。そうした背景が色濃く反映されている論考なので――とても名誉なことだと思いつつも――同時にやや複雑な思いが去来しております。喜んでいいのだろうか。彼の死をだしにしてしまっているのではないか、と。


 ただ、賞をいただいたということは、そこから先に進めとのことなのでしょう(と、書けるまでになりました)。
 ありがとうございます。ご評価いただきました選考委員の方々に感謝させていただきますとともに、精一杯、この栄誉を生かしたいと思います。
 

 むろんRPGボードゲーム畑の仕事ももちろん今まで以上にがんばっていきます(というか、評論の仕事には別な視点や評価軸がいるので、私にとってマルチクラス化はいわば必然とでも言うべきものです)。
 どうぞ皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。


 簡単なご報告で恐縮ですが、私のなかでもまだ整理がついていないというのが正直なところです。
 受賞作は規定により「S-Fマガジン」に掲載いただけるということです。少々お待ちいただき、受賞作と受賞の言葉をどうぞご覧いただけましたら幸いです。


追記:ありがたくも祝砲を賜りました。光栄の至りです!
http://d.hatena.ne.jp/Panza/20091215/p1
 また、受賞論文は「Speculative Japan」における横道仁志さんとの一連の論争の成果物でもあります。併せてお礼申し上げます。

*1:より正確にはメールを介して伝えたのでした……詳細についてはまた別の機会に