「ジャーロ」(光文社)38号に「ミステリとSF あるいは「リセットの利かないゲーム」」を寄稿させていただきました。
第5回SF評論賞の優秀賞をいただきました関係で、引き続きありがたいお褒めの言葉やはてなスターをいただいております。私淑する小説家の方よりお祝いのシャンパンまで頂戴してしまいました。
身に余る光栄というほかありません。ありがとうございます。
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さて、本題を。
光文社から発行されている本格ミステリを主題とした雑誌「ジャーロ」の38号に「ミステリとSF」についての評論を掲載いただきました。
EQ Extra GIALLO (イーキュー エクストラ ジャーロ) 2010年 01月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 光文社
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「謎のリアリティ ミステリ×モバイル×サバイバル」とは……。
多様性の加速度を増すいっぽうの社会状況に晒され、
ミステリが直面する前面化した問題と潜在化した問題。
重層化した「謎」を複数の視座から論ずることで、
真の「リアリティ」に迫りたい。
連載の冒頭に毎回掲載されている上記の緒言に現れておりますように、毎回「ミステリ」と何かを組み合わせて論じることで、ミステリをめぐる「リアリティ」の現在形がいかなるものであるのか、そしてミステリはどこへ向かうべきかを素描するのが連載「謎のリアリティ」の目的です。
さて、今回、私は……。
「ミステリとSF あるいは「リセットの利かないゲーム」」
という表題にて、主に伊藤計劃『ハーモニー』と、千澤のり子『マーダーゲーム』を論じています。
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/12
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- 作者: 千澤のり子
- 出版社/メーカー: 講談社
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特に、このブログをご覧になって下さっている多くの方が関心を抱いているだろう「物語とゲーム」の関係性について、何かしら新しい視座を付け加えられたのではないかと僭越ながら考えております。
なお、「物語とゲーム」については、以下の記事も参考になるのではないかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20080208
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20090624/p2
また、先月、id:nacky7さんとのお話で触れた商業媒体での原稿とはこちらになります。
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20091127#c1259335950
ミステリのあり方に興味のある方、他のジャンルとも共通するSFの特性に感心のある方、そしてゲーム(特にアナログゲーム)に関心をお持ちの方には、ぜひとも手にとっていただけたら幸いに存じます。
加えまして、主題となる両者の他にも、ミステリの文脈では東野圭吾『容疑者Xの献身』、歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』、松本寛大『玻璃の家』の3冊にも言及をさせていただいています。
- 作者: 東野圭吾
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- 作者: 歌野晶午
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そして願わくば、取り上げた素晴らしい作品群にも触れていただけましたら幸いです。
特に『クトゥルフ神話TRPG』に興味のある方には、ぜひとも『玻璃の家』をお読みになってほしいと思います(とりわけこの作品には惚れ込んでおりますので、いずれ何かの折りに取り上げさせていただきたいと考えています)。
なお、最後になりましたが、拙稿へ色々とアドバイスをいただきました限界小説研究会の皆様には、この場を借りて厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。