文化人類学者の木名瀬高嗣さんから、『帝国の視覚/死角――〈昭和期〉日本の知とメディア』をご恵贈いただきました。
つい高木彬光を思わせるタイトルのご本。収録されていた木名瀬高嗣さんの「『記憶の場』のエージェント――『アイヌ研究住職』と人文神オキクルミの〈昭和史〉」は力作。『魔の国アンヌピウカ』論(http://www.varicon2012.jp/taizen.php?no=04)で触れたハヨピラについての成立史なのですが……あまりの面白さに活字から目が離れず。小論を書く前に読んでおきたかった!
学術論文としてのスタイルを崩さず、見出された事実がそのまま、仮構された「近代」の矛盾を暴き立てる。これが歴史を掘り返すということなのか。大いに勉強になりました。
木名瀬さんのブログも序章的内容として読むことができますので、気になった方はぜひ。
http://tkina.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-059a.html
- 作者: 坂野徹,愼蒼健
- 出版社/メーカー: 青弓社
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (3件) を見る