「季刊メタポゾン」7号に、「『想像力』の脱政治化に抗して――3・11後の『空白の120ヘクタール』『水晶内制度』『妻の帝国』」を寄稿いたしました。

 大西赤人責任編集の文芸誌「季刊メタポゾン」7号に「『想像力』の脱政治化に抗して――3・11後の『空白の120ヘクタール』『水晶内制度』『妻の帝国』」というエッセイを寄稿させていただきました。


(画像は公式サイトより)
 編集部からのオーダーもあり、3・11以後における「想像力」の在り方について、拙いながらも考えてみた次第です。今回、寄稿させていただくにあたり、「季刊メタポゾン」のバックナンバーを通読しましたが、文芸誌のなかでも際立った、同時代の状況に対する批評性を感じました。活字ならではの鋭角的な記事を許容する雰囲気があります。とりわけ同誌では福島第一原発事故の問題を継続的に考えていることも重要です。
 つまり私は「季刊メタポゾン」の状況への佇まい、「構え」が気に入ったんですね。このご時勢に、活字の文芸誌を運営するなど、蛮勇そのものでしょうが、それがいい! このような器にしか盛られない言葉もあると思います。だから私はあえて、ドキュメンタリー『空白の120ヘクタール』、そして『水晶内制度』『妻の帝国』という二つの文芸作品を読み直してみました。また今号では、國分功一郎のエッセイ「〈原子力〉の時代の哲学」が原発問題と3・11という主題にハイデガーの技術論がどのように関係しているのかを明晰に解説しており、気軽にお薦めできるという点で、素晴らしい原稿でした。Amazon.co.jpだと送料が250円かかりますが、公式サイトからだと送料100円で購入できるようです(http://www.metaposon.com/works.html)。

季刊メタポゾン 第7号(2012年 孟秋)

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水晶内制度

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妻の帝国 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

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