「Mission Impossible03――発達障害と想像力の世界」にゲスト参加し、『メガトラベラー』のゲームマスターをさせていただきました。

 去る2013年6月30日は、イベント「Mission Impossible03――発達障害と想像力の世界」(http://iitoko-sagashi.blogspot.jp/2013/05/2013630-trpg-mission-impossible03-in-2.html …)にて、会話型RPGメガトラベラー』のレフリー(ゲームマスター)を務めさせていただきました。参加者の方、どうもお疲れさまでした!
 振り返れば、第1回ではダークファンタジーRPGウォーハンマーRPG』のゲームマスター、第2回はヒストリカルRPG『混沌の渦』のレフリー(ゲームマスター)を担当しました。今回の第3回は直径2000光年、11000の世界を旅するSF-RPGの名作『メガトラベラー』を運用させていただいた次第です。
 『メガトラベラー』はSF-RPGの古典的傑作『トラベラー』シリーズを統合・整理したシステム。もともとの『トラベラー』は何度も遊んだ思い入れの深いシステムで、2003年に新訳が出ています。僭越ながら岡和田晃は、季刊「R・P・G」3号(国際通信社)でシステムの独自性と運用ヒントを兼ねる記事を書かせていただいたこともございます。
 今回の参加者の方はRPGをやり込んでいるが『トラベラー』は未体験という方、『ラビットホール・ドロップス』を1回遊んだ初心者の方、『トラベラー』をランダム表を中心に1度だけ遊んだことのある方、という構成でした。全員『メガトラベラー』は初めてでしたが、手応えから察するに、楽しんでいただけたのではないかと思います。
 さて『メガトラベラー』が素晴らしいのは、根幹のルールがよく整備されていることです。プレイヤーは「6面体サイコロ2個の合計+関連技能レベル+関連能力値の5分の1(切り捨て)が目標値以上ならば成功」というルールさえ覚えれば、最低限の説明で雄大スペースオペラ世界を冒険することができる、とても優れたシステムです。今回のシナリオでは作成済みキャラクターを使用し、宇宙船で旅をする自由貿易商人の一行となっていただきました。ある宇宙港で「銀河皇帝暗殺」後の勢力争いに巻き込まれ、なんとか逃げ出すが、やがて謎めいたアーティファクトが鍵だとわかり、その探索に……というお話。いくつもの星系を旅しました。
 ところで今回のために『メガトラベラー』のシナリオを読みなおして気づいたのは、プレイヤーがクレバーな戦略や提案を行なえば、ストーリーが小気味良いくらいに、さくさく進んでいくように設計されている、ということですね。渋好みの設定と相まって、大人のRPGという風格を生み出していると思います。つまり、世界観(トラベラー宇宙)がレフリー(ゲームマスター)とプレイヤーの間のインターフェースとしてガッチリ設定されている。まずは世界ありきでシステムが作られているため、レフリーとGMのメタプレイ的な腹の読み合いの重要性が相対的に低くなり、安定した独自の面白さを生む。これは『ルーンクエスト』等の「第二世代RPG」とは微妙に異なる点だと思います。インターフェース=世界なのですが、その世界は常にランダマイザーとして生成発展、あるいは消滅、もしくは変化する可能性を秘めている。その点は「R・P・G」3号の記事につながるポイントですね。