「三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名活動」に賛同します&笙野頼子さんのコメント

 私はChange.orgで繰り広げられている「三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名活動」に賛同しています。海女という職業が春画の時代から性的な表象を付されてきた歴史的経緯を鑑みれば、どう見ても行政がその負の歴史を黙殺していると、解釈せざるをえないからです。(なぜか服の上からでも透けて見える)乳首や性器が出てこないのでOK、という類の言い逃れが仮にあるのであれば、そんな屁理屈は通用しないと心得るべきでしょう。
 ふだん署名の際には、私は純粋に「数の一員」であることが大事だと思ってコメントは書かないのですけど、地元ご出身の笙野頼子さんがコメントを寄せておられ、内容的に重要性がきわめて高いものと考えます。もとのサイトだとすでに掘り出すのが困難になってしまっているので、こちらに採録しておきます(読みやすくするためレイアウトを少し整形しています)。

 三重県出身の文学者です。大昔確か芥川賞を受賞した二十年以上も前、県の国際化委員とやらになってくれと頼まれ断っています。そしてその後の、国際観光都市の今のレベルが、結局はこれ、ということなのでしょうか。ひどすぎます。
 いわゆる性表現の自由の問題以前でしょう。つまり、1公的機関が2特定の職業の女性について3その女性がまだ子供のうちから4性的玩具とみなせと推奨している。5じつに明らかな職業差別。
 そんな差別による性的侮辱を公的権力が行っている。
 私が三重県にいたころの記憶だと、海女の方は頭脳明晰で勇敢、我慢強く、母系を大切にし、家計を支え、身内の女の子に技術とプライドを伝授する存在であった。かつての男尊女卑の時代や風潮の中でさえも、女の子が生まれると祝福し喜んだ。また海女はベテランほど尊敬されてきた。なぜその代表キャラが見習いなのか。市長は海女が少数派であることから、選挙にひびかないとなめてかかり、特定の職業の女性をつぶしにかかったのか。なんという卑怯な弱い者いじめだろう。これでは国際観光都市どころか国辱談合都市、いい笑いものです。
 (笙野頼子
 もっと長く書きたいのですがあまりにパソコンに弱く、ネットの署名でも失敗しそうなのでこのくらいにしておきます。私はニュースに気付くのが遅かったのですが、それでも体調が悪くなりました。皆様さぞかしお疲れのことと存じます。どうかお体をお大切に。
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