共著『きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド』（リットーミュージック）の予約が開始されました。

　共著『きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド』（リットーミュージック）の予約が開始されています。
　私もお手伝いさせていただいた『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』、その訳者の都甲幸治さんがナビゲーターとなり、ふだんあまり小説に親しんでいない方を想定読者とし、文学の面白さをガイドします。
　話し言葉（鼎談形式）で親しみやすい内容となっておりまして、岡和田が関わった本のなかでは、格段にハードルが低い本と言っていいと思います。それに、（私以外の）参加者が超豪華！　文学になんとなく苦手意識がある方も、ぜひお手にとってみてくださいませ。

この本を読めば、きっとあなたに最適な1冊が見つかるでしょう——10人の作家・翻訳家・書評家が、とっておきの本を紹介する読書ガイド!

『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、ヨーロッパやアメリカから日本まで、不朽の名作からベストセラーまで、縦横無尽に語り尽くします。
共通点は、読んで面白かったこと、という一点のみ。トールキンなんかのファンタジーからホームズものなどのミステリー、それから、日本近代文学の王者、谷崎潤一郎や太宰治まで。伊坂幸太郎の青春や『不思議の国のアリス』の少女ワールド、そして江國香織から村上春樹まで。大島弓子や萩尾望都についても熱く語ります。

目次

はじめに

1 村上春樹が気になる人に 現代日本からアジア、アメリカへ
都甲幸治・武田将明・藤井光
《登場作家》村上春樹/古井由吉/カズオ・イシグロ/イーユン・リー/高橋源一郎/レイモンド・カーヴァー/中上健次など

2 ルイス・キャロルが気になる人に あえて男だらけでアリスを読む
都甲幸治・武田将明・藤井光
《登場作家》ルイス・キャロル/嶽本野ばら/アンジェラ・カーター/スティーヴン・ミルハウザー/トルーマン・カポーティなど

3 大島弓子が気になる人に 文化系女子の流れ
都甲幸治・藤野可織・朝吹真理子
《登場作家》大島弓子/萩尾望都/ミランダ・ジュライ/中原昌也/ケリー・リンクなど

4 谷崎潤一郎が気になる人に 禁断の愛いろいろ
都甲幸治・藤野可織・朝吹真理子
《登場作家》谷崎潤一郎/ウラジーミル・ナボコフ/三島由紀夫/江國香織/オスカー・ワイルドなど

5 コナン・ドイルが気になる人に 小説のなかにあるたくさんの「謎」
都甲幸治・和田忠彦・石井千湖
《登場作家》コナン・ドイル/伊藤計劃/レイモンド・チャンドラー/田中小実昌/トマス・ピンチョン/ウンベルト・エーコなど

6 J・R・R・トールキンが気になる人に ファンタジー初めの一歩
都甲幸治・阿部賢一・岡和田晃
《登場作家》J・R・R・トールキン/C・S・ルイス/ミハル・アイヴァス/ロード・ダンセイニ/ル=グウィン/ラヴクラフト/ジュノ・ディアスなど

7 伊坂幸太郎が気になる人に 映画化されたベストセラー
都甲幸治・阿部賢一・江南亜美子
《登場作家》伊坂幸太郎/ハニフ・クレイシ/アーヴィン・ウェルシュ/ウィリアム・バロウズ/チャック・パラニューク/カズオ・イシグロなど

8 太宰治が気になる人に ダメ人間の生態
都甲幸治・阿部賢一・江南亜美子
《登場作家》太宰治/又吉直樹/タオ・リン/ジャン・コクトー/チャールズ・ブコウスキーなど

おわりに

著者について
都甲幸治
1969年福岡県生まれ。翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。

武田将明
1974年東京都生まれ。イギリス文学研究者、東京大学大学院総合文化研究科准教授。

藤井光
1980年大阪府生まれ。翻訳家、同志社大学文学部英文学科准教授。

藤野可織
1980年京都府生まれ。小説家。2013年「爪と目」(新潮社)で芥川賞受賞。

朝吹真理子
1984年東京都生まれ。小説家。2011年『きことわ』(新潮社)で芥川賞を受賞。

和田 忠彦
1952年長野県生まれ。翻訳家。東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。

石井千湖
1973年佐賀県生まれ。書評家、ライター。

阿部賢一
1972年東京都生まれ。立教大学准教授。

岡和田晃
1981年北海道生まれ。批評家、共愛学園前橋国際大学非常勤講師。

江南亜美子
1975年大阪府生まれ。書評家、近畿大学非常勤講師。

　私は先の都甲幸治さん（アメリカ文学者）と、チェコ文学者で第一回日本翻訳大賞受賞者でもある阿部賢一さんと一緒に、「J・R・R・トールキンが気になる人に ファンタジー初めの一歩」というテーマで、お話をさせていただきました。
　トールキン、『ダンジョンズ＆ドラゴンズ』、アーシュラ・K・ル＝グィン、C・S・ルイス、ロード・ダンセイニ、H・P・ラヴクラフト、さらには『黄金時代』のミハル・アイヴァスや『幽霊海賊』のウィリアム・ホープ・ホジスンなど、幻想小説のエッセンスをぎゅっと詰め込み、適宜ドラクエや『ネクロスの要塞』、村上春樹なんかの話を噛ませつつ、読者の方が内容をスムーズにインプットできるようにつとめました。
　どうぞお楽しみに！

きっとあなたは、あの本が好き。連想でつながる読書ガイド (立東舎)