発売中の「図書新聞」2020年11月14日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第六九回 分断を回避する多角的まなざしとしての時間の還流」が掲載されています。今回は、「大阪都構想」の賛否をめぐる住民投票、引き続き、日本学術会議の任命拒否騒動を取り上げております。
それに伴い、私がロシアSF翻訳家の大野典宏氏と一緒に立ち上げた実践「SF・ファンタジー・ホラー関係者有志の声明文」(http://sffh.herland.jp)を紹介しつつ、以下の作品に言及しています。
・ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』(阿部賢一訳、人文書院)
・松原俊太郎「戯曲 君の庭」(「群像」)
・古川日出男「ルポルタージュ 4号線と6号線と」(「群像」)
・シュテファン・ツヴァイク『聖伝』(宇和川雄・籠碧訳、幻戯書房)および収録作「第三の鳩の伝説」、「埋められた燭台」
・『オクトローグ 酉島伝法小説集』(早川書房)
・谷崎由依「特異点」(「群像」)
・榎本櫻湖「紅茶を飲む女」(「三田文學」)
・木崎みつ子「コンジュジ」(すばる文学賞受賞作)
・小池水音「わからないままで」(新潮新人賞受賞作)
・濱道拓「追いつかれた者たち」(新潮新人賞受賞作)
・クラウディア・ヴァーホーヴェン『最初のテロリスト カラコーゾフ』(宮内悠介訳、筑摩書房)
・北大路公子『ハッピーライフ』(寿郎社)
・仙田学「剝きあう」(「文學界」)
・奥間埜乃「オブスキュア・オブスキュラ 到来する混光のとき」(「文學界」)
・奥間埜乃「まなざしのゆくえ」(「三田文學」)
・杉本徹「少しずつ還流してゆく」(「三田文學」)
さらに、一九八〇年代の文学者たちの反核声明、一九九〇年代の湾岸戦争に反対する文学者声明、古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』、ロバート・マイルズの「制度的レイシズム」をめぐる議論、榎本櫻湖『Lontano』といった作品についても言及しています。
「図書新聞」はコンビニのマルチコピー機で買えます。