『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード2013)が電子書籍化

 私の第1評論集『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード2013)が電子書籍化されました。29%OFFとお買い得ですが、それだけではなく、判明した誤植を全て訂正しています。読み応えある1冊だと思います。お買い求めをいただけましたら幸いです。

  これからこの本へ出逢う方のため、改めて目次を。

 

●序文

■第1部 「伊藤計劃以後」の現代SF――伊藤計劃仁木稔樺山三英、八杉将司、宮内悠介

●書評『虐殺器官
●「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃虐殺器官』へ向き合うために
●受賞の言葉
●書評『フィニイ128のひみつ』/『ヴコドラク』/『マザーズ・タワー』
●リセットの利かないゲーム――『ハーモニー』×『マーダーゲーム』
●作家ガイド「樺山三英
樺山三英×岡和田晃 存在論的な歴史と認識論的な歴史――『ジャン=ジャックの自意識の場合』を読む
樺山三英×岡和田晃 歴史と自我の狭間で――『ゴースト・オブ・ユートピア』とSFの源流
●作家ガイド「仁木稔
●書評『グアルディア』/『ミカイールの階梯』
●「世界内戦」下の英雄――仁木稔『ミカイールの階梯』の戦略
●「サイバーパンク」への返歌、現代SFの新たな出発点――Harmony by Project Itoh
●『危険なヴィジョン』2・0――伊藤計劃The Indifference Engine』解説
●書評『屍者の帝国
●新たな時代の「世界文学」――『屍者の帝国』の射程
●「伊藤計劃以後」と「継承」の問題――宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』を中心に
●「クレオール化しそこねた世界」に希望はあるか――宮内悠介「北東京の子供たち」
●作家ガイド「八杉将司」
●八杉将司インタビュウ
●意識が消滅した者との共生は可能か――八杉将司『光を忘れた星で』を読む
●「伊藤計劃以後」と加速化する陰謀論――仁木稔「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」「はじまりと終わりの世界樹

 

■第2部 スペキュレイティヴ・フィクションの可能性

●書評『X電車で行こう』
増田まもるインタビュウ――日本で最も危険な〝耽美と残虐の〟翻訳家
●書評『都市のドラマトゥルギー
●書評『昇天する箱舟の伝説』/『RONIN』/『終わりなき索敵』
柴野拓美メソドロジー――「『集団理性』の提唱」再読
スチームパンクと双方向性(インタラクティヴィティ)――奥泉光『新・地底旅行
●「引用」という構築、重層化する旅路――『君の館で惨劇を』×『少年探偵とドルイッドの密室』
●「わたし」を動かす「マグマ」――笙野頼子『渋谷色浅川』
●書評『猫ダンジョン荒神』/『妻の帝国』
●「想像力」の脱政治化に抗して――三・一一後の「空白の120ヘクタール」『水晶内制度』『妻の帝国』
●「棄民」とは、「想定外」の産物なのか?――米田綱路『脱ニッポン記 反照する精神のトポス』を読む
●「痛み」を忘れず、信頼に足る情報を――『北海道電力泊原発〉の問題は何か』を読む
●書評『連続する問題』

■第3部 世界文学のニューウェーヴ

●言葉が紡いだ「死」の舞踊――佐藤亜紀ミノタウロス』解説
●神話的人物の生きる「場所」――『双頭のバビロン』×『ウィトゲンシュタインのウィーン』
●「思想」と「エロス」を分かつもの――歴史の表層と『醜聞の作法』
●『ヘルデンプラッツ』と神的暴力
●表象の迷宮――エステルハージ・ペーテル『黄金のブダペスト
●虚構の果ての旅路――『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし――ドナウを下って――』
●「血の復讐」は我らが隣に――ウィリアム・ピーター・ブラッディ『ディミター』
●「死」を描くゲームブック――ミロラド・パヴィッチ『帝都最後の恋』
●書評『南無ロックンロール二十一部経』
オブセッション島嶼的イメージ――J・G・バラード『楽園への疾走』の系譜学
●すべてを語り、何も語らずにいること――『人生の奇跡 J・G・バラード自伝』
●書評『abさんご』
●救済なき救済の相――《新しい太陽の書》小論
●我らの内なる怪物――ピーター・ディキンスン『生ける屍』解説
●書評『爪と目』
●生政治と破滅――トマス・M・ディッシュ「リスの檻」および『キャンプ・コンセントレーション』再考

・あとがき
・電子版刊行にあたって