発売中の「図書新聞」2022年1月22日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第八三回 世論誘導による図式化、翼賛への誘惑を退けるために」が掲載されました。今回は、五輪記録映画に関して、NHKと河瀨直美監督による露骨な世論誘導を批判しつつ、以下の作品に触れています。
・シルビナ・オカンポ『復讐の女/招かれた女たち』(寺尾隆吉訳、幻戯書房)
・シルビナ・オカンポ『蛇口 オカンポ短篇選』(松本健二訳、東宣出版)
・ルイーズ・グリュック『野生のアイリス』(野中美峰訳、KADOKAWA)
・古川日出男「現代語訳「紫式部日記」」(「新潮」)
・原口昇平「ふたたび殺戮の時代」(「無人」)
・小栗静雄『精神保健福祉の実践――北海道十勝・帯広での五〇年』(寿郎社)
・田中貴子「幽霊画と女性――女の幽霊・再々考」(「早稲田文学」二〇二一年秋号)
・堀井一摩「母の恐怖、恐怖の母――ラフカディオ・ハーン「幽霊滝の伝説」を読む」(「早稲田文学」二〇二一年秋号)
・小山田浩子「種」(「すばる」)
・河﨑秋子「生前納骨」(「すばる」)
・平山夢明「Suck it! ASAP――急いで口で吸え!」(「文學界」)
・羽生飛鳥「悪僧独尊謎解き善行」(「小説新潮」二〇二一年一〇月号)
・尾崎真理子「『万延元年のフットボール』のなかの『夜明け前』」(「群像」)
・黄英治(ファンヨンテ)「繭=〈コクーン〉」(「労働者文学」)
・荒巻義雄『SFする思考 荒巻義雄評論集成』(小鳥遊書房)
・菅原潤『実在論的転回と人新世――ポスト・シェリング哲学の行方』(知泉書館)
・フランク・M・スノーデン 『疫病の世界史(上)――黒死病・ナポレオン戦争・顕微鏡』、『同(下)――消耗鋲・植民地・グローバリゼーション』(桃井緑美子・塩原通緒訳、明石書店)
その他、ボルヘス、ビオイ=カサーレス、ローズマリー・ジャクスン、ツヴェタン・トドロフ、古川日出男『女たち三百人の裏切りの書』、松本圭二『アマータイム』、大江健三郎、トニ・モリスン等にも言及しています。書店で入手できるほか、電子版やコンビニのマルチコピー機での有償ダウンロードもぜひご利用ください。