発売中の「図書新聞」2025年8月2日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第一二五回 肌感覚としての排外主義を、“言葉の外部”へと追いやってしまわないこと」が掲載されました。今回は参院選と、「日本人ファースト」なる馬鹿げた差別煽動に与野党が乗っかった状況を批判し、以下の作品を取り上げました。
・日本ペンクラブ緊急声明「選挙活動に名を借りたデマに満ちた外国人への攻撃は私たちの社会を壊します」(桐野夏生会長および理事会一同)
・シルビナ・オカンポ&アドルフォ・ビオイ・カサーレス『愛する者は憎む』(寺尾隆吉訳、幻戯書房)
・高秀美(コスミ)『踊りの場』(三一書房)
・井川ちとせ『読書会の効用、あるいは本のいろいろな使いみちについて――イングランド中部Tグループの事例を中心に』(小鳥遊書房)
・河西英通『「六全協」の世界――日本共産党と1950年代』(有志舎)および『「社共合同」の時代――戦後革命運動史再考』(同時代社)
・シャン・ノリス『反中絶の極右たち――なぜ女性の自由に恐怖するのか』(牟礼晶子訳、菊池夏野解説、明石書店)
その他、アドルフォ・ビオイ・カサーレス『モレルの発明』、アラン・ロブ=グリエ&アラン・レネ『去年マリエンバートで』、ハワード・ヘイクラフト『娯楽としての殺人』、ホルヘ・ルイス・ボルヘス、ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』、『ブリジット・ジョーンズの日記』、徳田球一、野坂参三、志賀義雄、宮本顕治、井上清、西館仁にも触れています。
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