朱鷺田祐介さんに『ミドンヘイムの灰燼』をご紹介いただきました。


 朱鷺田祐介さんは、私の私淑するゲームデザイナー/翻訳家/ゲームマスターです。
 朱鷺田さんが紹介された『イット・ケイム・フロム・ザ・レイト・レイト・レイトショウ』は、高校時代に何回遊んだか知れません。
 最近、高橋志臣(id:gginc)さんが主催された、デンバーを舞台にした『シャドウラン』第4版のセッションに同席させていただいたのですが、この『シャドウラン』第4版の翻訳・紹介も、朱鷺田さんのお仕事ですね。

シャドウラン 4th Edition (Role&Roll RPGシリーズ)

シャドウラン 4th Edition (Role&Roll RPGシリーズ)

 また、私は朱鷺田さんがデザインされたRPG『深淵』には、特別な思い入れがあります。
 RPGにおける「ストーリーテリング」の概念を、根本から書き換えた傑作システムであると確信しているからです。
 『GAME JAPAN』誌の『ウォーハンマーRPG』リプレイ収録用のセッションの際には、『深淵』で培ったマスタリング・テクニックが大いに役立ちました。
 とりわけレジーナのプレイヤーは『深淵』を遊びこんでいたこともあり、ダークファンタジーというジャンルにはこだわりがあったようで、うまくマスタリングとプレイヤーのロールプレイが噛み合い、ひとあじ違った、それでいて『ウォーハンマーRPG』らしいリプレイをお届けすることができたと自負しています。

 『ウォーハンマーRPG』は、ともすれば「ハードな戦闘(だけ)を遊ぶゲームでしょう?」と誤解されがちなのですが、そうではない、オールド・ワールドらしさを活かしたストーリープレイを達成することができました。
 『深淵』と『ウォーハンマーRPG』は、同じダークファンタジーというジャンルのRPGではありますが、似ているところもあれば、違ったところもあります。
 こうした差異について研究し、それぞれ、システムの面白さを引き出すような運用法は、例えて言えば、音楽家が自分に合った楽器や楽曲を選定する作業に、似ているところがあります。
 たとえ『深淵』しか遊ばない人であっても、『ウォーハンマーRPG』の充実した魅力的な設定群を読み込めば、必ずや得るものがあると思うのです。逆もまた、然り。


 高橋志臣さんが、リプレイ「混沌狩り」の第3回を紹介してくださったエントリで、RPGを音楽に準えた素晴らしい表現をされていますが、私もまったく同感です。

 ですからぜひ、このリプレイを読まれて興味を持った方は、『ウォーハンマー』というゲームコンポーネントに、触れてみてください。単に買って死蔵してしまうのではなく、音楽ファンが自ら手にとって素晴らしい演奏をオーディエンスに聞かせるように、沢山の魅力的な〈ゲーム〉をいろんな人に提供してください。それが、結果的に、システムの価値を高めることにつながります。
 私は、〈システムデザイン〉と〈マスターリング〉の関係は、「楽器制作」と「楽曲演奏」の関係に近いと思っています。少しでも多くの人が、TRPGシステムという“楽器”の魅力を“演奏”を通じて伝られるような環境をサポートできるよう、いろんなことを考え、実行していきたいと思います。


 さて、その朱鷺田さんに、今回、報告を兼ねて『ミドンヘイムの灰燼』を献本させていただいたところ、朱鷺田さんのブログ「黒い森の祠」にて、大きくご紹介いただきました
 ありがとうございます! なんと申しますか、感無量です。