2007-01-01から1年間の記事一覧

怒りの葡萄

知人が、『ウォーハンマーRPG』のシナリオ集『略奪品の貯蔵庫』に収録されている、「怒りの葡萄」をプレイしたと言っていた。すっごく嬉しい。『略奪品の貯蔵庫』には、それまでのRPG界の常識を覆すような奇想天外なシナリオが溢れんばかりに入っていて、も…

カート・ヴォネガットの遺作『国のない男』を読む。

ヴォネガットは、主に『タイタンの妖女』と『スローターハウス5』と 『母なる夜』によって、かつて私の中でカルチャーヒーローとなっていた男 なのだが、9・11以降のこの不穏なご時勢、ひょっとすると濁世に心底愛想を 尽かし、ボコノン教の向こう側に行って…

『SFマガジン』1月号その2(『ドラッケンフェルズ』三部作について)

テッド・チャン特集により、『SFマガジン』1月号を心から堪能した私だったが、残念なところもあった。 それは、今年度の最良の収穫のひとつと言っても過言ではない、ジャック・ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』『ベルベットビー…

『SFマガジン』1月号(テッド・チャンについて)

『SFマガジン』1月号のテッド・チャン特集をひととおり読む。 基本的に、収録されている作品群は、エッセーやインタビューを含め、 ある種のコンセプトに則ってまとめられている、といった手触りがある。 ふだん、大森望の翻訳に関しての選択眼は高く評価し…

向井豊昭『ドレミの外』、『飛ぶくしゃみ』など

ブログを開設してよかったと思うことに、(たとえ偶然にせよ)向井豊昭氏との知己を得ることができたということが挙げられる(私は『早稲田文学』を2001年ごろからずっと読んできたので、向井作品は当然継続して目を通している)。 例えば雑誌の衰退やケータ…

クロード・シモン論無料配布中

私淑する作家をひとり選べといわれたら困ってしまうが、迷った結果、やはりクロード・シモンと答えてしまう気がする。 人間と(人間性の一部としての)戦争との関わりについて、これほど深く語ることができた作家はほかに知らない。 ヌーヴォー・ロマンだと…

ホビージャパンRPGコンベンション受付開始。

公式サイトで告知が出たので、ここにも貼っておきます。 1月27日、ホビージャパンのRPGコンベンションが東京・新宿で開催されます。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と『ウォーハンマーRPG』の合同イベントね。 http://www.hobbyjapan.co.jp/wh/event.html 私は…

『Role&Roll』vol.39

『Role&Roll』のvol.39(新紀元社)に、このブログで何度も触れてきた「WORLDWIDE DUNGEONS&DRAGONS GAME DAY 2007」についてのレポート記事を書かせていただきました。 ## ウリは二つあります。 関東がメインとなりがちなイベントレポを、札幌、名古屋、仙…

『GAME JAPAN』1月号

絶賛発売中の『GAME JAPAN』1月号(ホビージャパン)ですが。わたしは『D&D』新作サプリメント『竜の書:ドラコノミコン』の紹介文を書かせていただいております。 いやあ、世紀の奇書ですね、『ドラコノミコン』は。 ドラゴンだけで、A4版に辞書サイズのフ…

ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ

告知が遅れましたが、「ウォーハンマーRPG 日本語版公式サイト」にて、無料ダウンロードシナリオ『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ』が公開中です。タイトルは『ザ・ビートルズ』の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ…

『ダンジョンズ&ドラゴンズ(3.5e)』のささやかなキャンペーン、第9回

遅れてごめん! 8月の回のプレイリポートを、まさかいま書くとは思わなかったよ! 日本語サプリほぼ全入りのせいもあり、異様に時間がかかったセッションでした。 それはそうと、ダーク・ナーガを追いかけて「恐怖の島」の洞窟の奥へと足を踏み入れていった…

「Worldwide D&D Game Day」その2

今月頭、「Worldwide Dungons&Dragons Game Day」というステキなイベントがありました。 これは、「11月3日はD&Dの日!」というわけで、世界1000箇所で20000人のプレイヤーたちが、同じレギュレーションで同じシナリオをプレイする、という一大イベント。 今…

ラリィ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』

●ポストロックとスタンス 最近、"65daysofstatics"というイギリス・シェーフィールド出身のバンドに嵌っており、もっぱらこればかり聞いている。いわゆるジャンルとしてはポストロックに分類されるらしいが、ポストロックとは何であるのか、正直なところよく…

『Role&Roll』vol.38

宣伝ですよ、WARNING! 近々(今月10日あたり)、ロールプレイングゲームを中心としたアナログゲーム総合情報誌、『Role&Roll』vol.38(アークライト/新紀元社)が発売のはこびとなります。 ここで私は、第2特集「うまいプレイヤーになりたい!」という記事…

緑の家

マリオ・バルガス=リョサの『緑の家』を2度読む。 ラテンアメリカ小説独特のカオスな世界(この場合はペルー)はものすごく好きで、その意味では期待は裏切られなかったし、すごくうまいとは思うのだが、ユーモアを全面に押し出した『フリアとシナリオライタ…

10月の「ホビージャパンRPGコンベンション」参戦

10月27日に代々木で開催された「ホビージャパンRPGコンベンション」にて、『ウォーハンマーRPG』のゲームマスターをしてきました。内訳は、『D&D』初心者卓3卓、『D&D』本格卓3卓、『ウォーハンマーRPG』2卓といった感じ。大雨だったことを考えると、妥当な…

ささやかですが、『GAME JAPAN』の12月号に

前にも書きましたが、10月の6日と7日、日本最大の『D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)』イベントである「DAC2007」に出かけてまいりました。 そしてその様子を、10月30日発売予定のデジタル、アナログを問わず「ゲーム」を満遍なくとりあげることで知られる総…

「Speculative Japan」始動か?

『夜と霧』を読み直して悪夢にうなされている間に、ステキなニュースが! 山野浩一先生のブログより。 [http://yamanoweb.exblog.jp/7230885/] 信じがたい。が、素晴らしい。 やはり、時代は少しずつだが、よい方向へ動いているようだ。

新版『ドラッケンフェルズ』を読む。

初版をはじめて読んでから、はや13年。当時、私は中学2年でした。 もったいなくて全然進められなかったが、やはり素晴らしい。 いまは構造がすごくよく見えるので、機会を見つけて論じ倒してやりたいくらい。 ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文…

季刊『R・P・G』4号が届く

見本誌が届いたので、タスクを棚上げして『R・P・G』を読みふけっている。 私は基本的に、手元にある雑誌は、隅から隅まで洗い尽くすタイプなのだが、ゆえあってこの号は涙なくしては読めない。だが、私は負けませんよ。 それはさておき、相変わらず非常に面…

『R・P・G』(国際通信社)4号が予約開始&「はじめに」

宣伝失礼! 国際通信社のアナログゲームショップa-gameにて、季刊『R・P・G』4号の予約が開始されているようです。 書影はこちらから。 毎度ながら米田仁士先生の表紙が美しい。R・P・G vol.4―本格派アナログゲーム情報誌出版社/メーカー: 国際通信社発売日:…

こっそり告知。

10月27日に開催される、ホビージャパンの公式コンベンションで、『ウォーハンマーRPG』のマスターをしたりします。締め切り迫る!

『Role&Roll』vol.37と『D&D』

10月6日に発売になっているので、機を逃す前に告知をしておきましょう。 ロールプレイングゲーム&アナログゲームの総合情報誌『Role&Roll』(新紀元社)のvol.37に、記事を書かせていただきました。 以前の記事で、私は『R・P・G』誌を、『オフィシャルD&D…

シーカーズクロニクル&DAC2007参戦

9月30日には、お誘いを受け、横浜は開港記念会館で開催された「クトゥルフ・オンリーコン」に参加してきました。未訳設定「H.P.LOVECRAFT'S DREAMLAND」で遊ばせてもらいましたよ。総じて私は頭が悪かったのだけれども、それは卓の周りにいる方に助けてもら…

『俺と悪魔のブルーズ』4巻!

26歳最初の夜は、バーナード・エヴスリン『フィン・マックールの冒険』(喜多元子訳、教養文庫。ケルト系の文献ではピカイチのおもしろさ!)と、発売がひと月送れた、平本アキラ『俺と悪魔のブルーズ』4巻を読んでいたのだった。 id:phlebasさんが「このコ…

『ウォーハンマーRPG』をプレイしてくる。

サークルのOB会で、日頃会えない先輩方(+後輩1名)とRPGをやってくる。 私は相も変わらず、『ウォーハンマーRPG』のゲームマスターをやってきたのだった。 しっかし、みんな完全にオトナだねぇ。なんか寂寥感を抱かないでもない。月に4回はRPGやってるのっ…

複雑。

あと3時間弱で26歳です。あーあ、ちっとも嬉しくないや。

治安維持

とある古書店でクロード・オリエの『治安維持』(北嶋廣敏訳/工作舎)を見かけ、しばし感慨に耽った。4年前にこの本を初読した際の「しこり」がずっと胸につかえていたが、その原因がなんとなく判明したからである。 『治安維持』とは、あの松岡正剛がかつ…