2007-01-01から1年間の記事一覧

d20シェイクスピア

d20の世界は恐ろしい! "The Works of Shakespeare" http://www.orcsnest.com/blurber.asp?title=The%20Works%20of%20Shakespeare%20(d20) 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のd20システムで、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲がプレイできるというのですよ! …

不信の時代 

ナタリー・サロートの批評集『不信の時代』(紀伊国屋書店)の冒頭に、「ドストエフスキーからカフカへ」という論文が収録されている。19世紀小説(ドストエフスキー)から20世紀小説(カフカ)、そしてそれ以降の「ヌーヴォー・ロマン」へと、小説のカタチ…

JGCとかSF大会とか

夏はイベントの季節。 8/31〜9/1のJGCには、参加させていただきます。 『Role&Roll』誌の取材や、『ウォーハンマーRPG』のマスターをしていると思いますよ。 リアルで面識ある方がおられたら、声でもかけてやって下さい。 そして、JGCに参加される方で、『ウ…

7月の『ウォーハンマーRPG』コンベンション

報告が遅いけど、7月29日に開催されたホビージャパン主催『ウォーハンマーRPG初心者コンベンション』でもゲームマスターを務めてきました。 シナリオは、黒澤映画の『用心棒』を彷彿とさせるミステリっぽい内容。 かなり予想外の展開になったが、面白かった…

「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」

ストルガツキー兄弟の『ストーカー』がFPSになっている(御大のお墨付きは、あるとかないとか)、という話をずっと聞いていたが、5年近い歳月をかけて完成し、今年の6月には日本でも始動したようだ。 タナトス6のボードゲーム会に行った際、画面を少し見せて…

ケネス・ブラナーの『魔笛』を観る。

ケネス・ブラナーの『魔笛』を観てくる。かつて、ブラナーが撮った『ハムレット』を何度も何度も見直していたもので。場所は、銀座シネシャンテ。顧客の年齢層が高く、落ち着いた雰囲気。そして、肝心の映画については大満足。噂には聞いていたのだけれども…

季刊『R・P・G』vol.3(国際通信社)

せっかくブログを持っているので、宣伝しちゃいましょうか。リアルで私と知己のある方はご存知だと思うのですが、しばらく前から商業誌で記事を書かせていただくようになりました。 で、今回、個人的にずーっと憧れていた雑誌、『R・P・G』(国際通信社)の…

伊藤計劃『虐殺器官』

書店で帯を見たときビビっと来てたので、期待して読んでみる。 すごいね。 ちょっと調べてみたところ、SF者的には『メタルギア・ソリッド』を基本に、ブルース・スターリング、グレッグ・イーガン、山田正紀と3つの軸に引き付けて語る例が多いようだが、それ…

『墜落世界』2回目

けっこうセッションこなしているのに、RPGについてあまり書けてないな……。 マスターは死ぬほどやっているから、プレイヤーをやったゲームについて。 で、せっかくだから、『墜落世界』の第2回目をプレイできたことについて書いておこう。 お声をかけてくれた…

アルフレッド・ベスター『ゴーレム^100』

アルフレッド・ベスター。 『虎よ、虎よ!』と『消失トリック』をはじめて読んだときから、私はベスター作品が放つ魔力に魅せられ、いまに至っても魅せられ続けている。 まさに黄金時代だった。雄渾な冒険が試みられ、生きとし生けるものが生を謳歌し、死ぬ…

スチームパンクの古典を読みふける

ここ一月ばかり、いわゆる「スチームパンク」の古典を読みふけっておった。 はじめて読んだものもあれば、読み返したものもある。 といっても、ヴェルヌやウェルズを読んだのではなく、P.K.ディックとサイバーパンク絡みで出てきた連中と、カトリシズムの気…

向井豊昭/麻田圭子『みづはなけれどふねはしる』

●単純な「読み」と、コードとしての私小説 『早稲田文学』誌を母体として活躍してきた作家陣のコラボレート小説にして、なかなかの問題作。ただし、麻田氏の小説に触れたのは、今回が初めてだったりもする。ともあれ、ようやくこの本に対して、何か言葉を発…

杉田敦『リヒター、グールド、ベルンハルト』

トーマス・ベルンハルトに対する批評は意外なほど少なく、かといって学者の紀要論文は、未訳の資料に対する地道すぎる調査が主体で、スリルを欠く。こうした違和から手に取ったのがこの『リヒター、グールド、ベルンハルト』だ。 ゲルハルト・リヒターに「あ…

笙野頼子『てんたまおや知らズどっぺるげんげる』

夕刊や週刊誌に載っている文化人のコラムは大抵、無難で嘘臭く、マスコミ言語の通りよさとは、こういうことを言うのだな、と思わせられてしまう。 が、この大塚英志との「純文学論争」ただなかの笙野の身辺雑記風小説は、一見、伝統的な私小説を装いつつも、…

『ドラッケンフェルズ』復刊!

うぉおお、SFマガジンの今月の1冊が『トラストDE』ですよ、『トラストDE』! しっかし、『雪どけ』の作者がこんなものを書いてしまうとはねぇ。と、いつも思う作品ですよ。 それはそれとしまして、売れているという噂はよく聞くのにもかかわらず、世間様では…

「ホビージャパンRPGコンベンション」参戦

ウォーハンマーRPG 基本ルールブック作者: クリスプラマス,Chris Pramas,待兼音二郎出版社/メーカー: ホビージャパン発売日: 2006/12/28メディア: 大型本購入: 2人 クリック: 81回この商品を含むブログ (54件) を見る はい、むちゃくちゃイベントに行ってい…

向井豊昭『怪道をゆく』

以前、このブログで向井豊昭の『怪道をゆく』を読みたい! と書いたら、向井豊昭さんご本人がコンタクトを取ってくださった。http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20070120/p2を参照。 正直、なにやら住所を探ってくる新手の詐欺か何かかと警戒しないではなかったが…

面白いのよ、『トラベラー』

不肖私、まだ25ですが、それよりも若いプレイヤーに骨太のRPGを広めよう計画、というのをやってます。 で、今回は、あの『トラベラー』をやりました。ルールはあらかた『メガトラベラー』から拾ってきたのですが。 なぜ『トラベラー』かというと、『トラベラ…

向井豊昭の新刊はどうやったら読めるの?

BARABARA(バラバラ)作者: 向井豊昭出版社/メーカー: 四谷ラウンド発売日: 1999/03メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (15件) を見る 土地と神話について考えると、どうしてもこの人が浮上してくる。 デビュー作『BARABARA』みたいなリーダ…

ヴィクトル・ペレーヴィン『恐怖の兜』について、簡潔にノート

「ロシアの電車男!」(By 島田雅彦)という考えうる限りにおいて最低の煽り文句にて売りに出された、鬼才ペレーヴィンの問題作。 恐怖の兜 (新・世界の神話)作者: ヴィクトルペレーヴィン,Victor Pelevin,中村唯史出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/12…

ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』

そもそも、20世紀とは何だろうか。20世紀的なものとは何かを語るならば、まずは時代そのものが何であるのかを知らねばならない。しかしながら、どうすればよいのか。 グローバリズムと多文化主義がせめぎあう現代において、何が本当に20世紀的なのかを…