宣伝ですよ、WARNING!
近々(今月10日あたり)、ロールプレイングゲームを中心としたアナログゲーム総合情報誌、『Role&Roll』vol.38(アークライト/新紀元社)が発売のはこびとなります。
ここで私は、第2特集「うまいプレイヤーになりたい!」という記事を書かせていただきました。
[http://www.arclight.co.jp/r_r/intro/intro38.html]
ちなみにイラストは、個人的に大ファンだった『墜落世界』、『キャッスル・ファルケンシュタイン』、『痩せゆく男のd20』、『ゆるゆるSpeak Easy』の吉井徹大先生だッ!
アヴァン・ポップなステキすぎるイラスト。見逃すなッ!
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あたりまえですが、テーブルトークのRPGを楽しむためには、ゲームマスターの提示するシナリオを、ワイワイ言いながら楽しんでくれるプレイヤーという存在が必要不可欠です。
でも、ぶっちゃけた話、競技スポーツではないRPGというメディアにおいては、プレイヤーとしてのスキルが上達するためには、いったいどうすればよいのかという「目標」が、いまひとつ曖昧になってきたところが、あったように思えます。
別に、プレイヤーの間に優劣を付けようとか、そういうことを言っているわけではないんです。「勝ち負けを意図して上達を目指そう」というのとは違いまして。
例えば、『トンネルズ&トロールズ』のルールブックで、デザイナーのケン・セント・アンドレが、1987年に日本語版が出た第5版でも、2006年に日本語版が出た第7版でも共通して言っていることに、「紙の上の別の人格が力と経験を増していくとともに、(プレイヤーである)あなた自身も成長してくれることを願っています」という意味のことがあったように記憶していますが、つまりは、これでして。
「プレイヤーという一個の〈人間〉として成長していくためには、どうすればよいか。そこの根っこの部分について考えていきたい」という内容の記事なのですね。
つまり、RPGであればどのようなシステムのユーザーであっても、例えば『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が好きな人も、『ソードワールドRPG』が好きな人も、『混沌の渦』が好きな人も、『トーキョーN◎VA』が好きな人も、『クトゥルフ神話TRPG』が好きな人も、『ナイトメアハンター=ディープ』が好きな人も、『シャドウラン』が好きな人も、『異界戦記カオスフレア』が好きな人も、『ワールド・オブ・ダークネス』が好きな人も、『アルシャード』が好きな人も、『墜落世界』が好きな人も、『ハーンマスター』が好きな人も、『深淵』が好きな人も、『ウォーハンマーRPG』が好きな人も、『トンネルズ&トロールズ』が好きな人も、どこか「自分の問題」として「プレイヤー」のあり方について考えていくことができる。そうした、ある種、共通言語的な価値を持つことができる記事となるよう、心を配った次第です。
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うまく言えませんが、私の記事そのものをスタンダードにしよう、とか主張したいわけではなくて、記事をきっかけに、TRPGにおける「プレイヤー」とはいかにあるべきか、ということについて、各々のユーザーが、いまいちど考えてみてもよいのではないか、ということを言いたいわけです。
かつては、例えば『D&D』のデザイナーであるゲイリー・ガイギャックスの書いた『ロールプレイング・ゲームの達人』、『深淵』のデザインや『シャドウラン4th』の翻訳で知られる朱鷺田祐介先生の書いた『粋なゲーマー養成講座』など、「プレイヤー」としてのあり方を考えるにあたり、刺激的な観点を含んだ書物が色々と出版されていました。
ただ、現状、RPGが多様化してきて、個々のシステムについて習熟することはできていても、より根っこの部分について考えていく機会というのは、それほど増えてはいないのではないかと、私などはつい思っています。
そうした現状において、どうしたらシステムの垣根を飛び越えて、どうしたら個々のゲーマーが「うまいプレイヤーは何か」ということについて考えていくことができるか。それを自分的な課題として、記事を執筆いたしました。
そのためには、何はともあれ、読みやすくなくてはならないので、記事のスタイルに細心の注意を払ったのはもちろんですが、そのほかにも『Role&Roll』誌のアンケート欄に、「あなたの考えるうまいプレイヤーとは何ですか?」というコメント欄を設けてもらって、寄せていただいたアンケートを参照して記事作成の参考にさせていただいたり、プレイグループの面々に原稿を読んでもらい、意見を頂戴したりすることで、観点が独りよがりのものにならないよう気をつけてもいます。
ぜひぜひ、手に取っていただければ幸いです。
なお、姉妹編として、『Role&Roll』vol.30には、「やってみよう、ゲームマスター!」という記事を書かせていただいております。基礎的な事項はだいたい網羅できていると思いますが、翌vol.31に小太刀右京先生が書かれた"Becoming Better Gamemaster"という発展記事も素晴しかったので、バックナンバーをお持ちの方は、合わせてチェックしてみて下さい。
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また、『Role&Roll』Vol.38には、『ウォーハンマーRPG』のリプレイが掲載されていますが、ここでプレイされているもとのシナリオは、私が翻訳させていただきました。
こちらから、無料ダウンロードが可能です。リプレイ読んでみて心の琴線に触れた方は、ぜひともダウンロードしてみて下さい。
[http://www.hobbyjapan.co.jp/wh/support.html]
私も、実際に3回はゲームマスターとして使ったことのある内容なので、面白さは保証します。
どこのモンティ・パイソンやねん、といった感じの内容ですが(笑)
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まだ見本誌が届いてないのですが、個人的にいちばん気になるのは、坂本雅之先生による『クトゥルフ神話TRPG』のツェッペリン号の解説記事ですかね。
『クトゥルフの呼び声』の初代ボックス版(日本語になったもの)には、確かツェッペリン号の地図が同梱されていたように記憶されていますが、版上げのあとには、載らなくなってしまった。
ここがサポートされるとは、ファンとしては感無量ですね。