『ハーフリアル――虚実のあいだのビデオゲーム』が出ています。

 Analog Game Studiesの活動報告にも出ていますが、高田馬場ボードゲーム読書会ではイェスパー・ユール『ハーフリアル――虚実のあいだのビデオゲーム』(ニューゲームズオーダー)の購読をしてきました。編集の沢田大樹さんのご厚意によるものです。訳者の松永伸司さんが来てくださった回もあって充実した内容になったのですけど、それは出版前のことでした。つまり校正協力も兼ねていたわけで、クレジットに名前を入れていただいています。『ハーフリアル』はゲームを扱った博士論文、少なくともゲーム/メディア論/表象文化論では、日本で紹介されていないのが不思議な必読レベルでの基本書ですね。文芸批評においても読んでおかねばなりません。というのも既存の文芸批評や映画批評では不可能だった方法論が提示されているから、というのに尽きます。充分な公共性があり、本当ならば学術出版社が出しておかなければならなかった日本語版ですね。連載時評でも一言言及しましたが、それはこの本が現在の文芸状況において「必要」なものにほかならないからです。

ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム

ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム