Analog Game Studies齋藤路恵デザイン『ラビットホール・ドロップスi』発売中です!

 Analog Game Studiesの齋藤路恵さんがメイン・デザイナーをつとめ、成人発達障害当事者団体イイトコサガシと、ゲーム創作者集団エテルシア・ワークショップ(グランペール・ブランド)、およびAGSのコラボレート作業で完成に至った新作RPG『ラビットホール・ドロップスi』が、ゲーム専門店および、各種オンラインショップで発売されています。是非、お手にとってみてください。

★ご注意ください!

この冊子は成人発達障害当事者会「イイトコサガシ」のワークショップにおいて用いられる会話型RPGテーブルトークRPGTRPG)のルールと、そのガイダンスです。一般的なゲーム商品とはその性質が異なりますので、ご理解の上、お読みください。ラビホアイ”で、お話づくりを通してコミュニケーションを楽しく試そう!

 やさしいRPG「ラビットホール・ドロップス」から生まれた、完全に未経験者向きのRPGワークショップ「ラビットホール・ドロップスi」のすべてを解説。7つのステップと「リドラー」システムで、みんなが即興のお話作りを体験する2時間半のプログラム。ハプニングに笑い、みんなのいいところを見つけて、とても心が解放されるような、素敵なひとときを過ごしませんか?(裏表紙より)

ラビットホール・ドロップスi

ラビットホール・ドロップスi

 というわけで、齋藤路恵デザインの『ラビットホール・ドロップスi』の全貌がお目見えしました。身内褒めめいて恐縮ですが、革命的なシステムだと思います。コロンブスの卵的な発想で書かれた”ナラティヴ・ベース”のコミュニケーション促進ツールといっても過言ではないでしょう。ここで言うRPGの革命って、『ローズ・トゥ・ロード』(2010年版)が、まさしく革命であったことをイメージしていただければと。既存のナラティヴのあり方、そのものを、ゲームという相互行為性を通じ、ダイレクトに問い直すもののことを指します。
 ナラティヴがバズワードという意見もあるようですが、私の意見は異なります。ナラティヴとは、その(心理学的/神話学的に)深い部分で、普遍的に共有されうるものだからです。大江健三郎の『M/Tと森のフシギの物語』か、より理論寄りだと、ジャンニ・ロダーリの『ファンタジーの文法』に触れてみてください。
 それにしても、このような企画を進めてしまうコンセプターの伏見健二さんの豪腕には脱帽。伏見健二さんが遺憾なく発揮されたトータルデザインの才、グランペール立ち上げからの蓄積がなければ、あのように懐の深いコンセプトワークで、良い意味でわがままな(褒めてます)書き手の実験作(実験のための実験ではないというのがポイントですね)を受け入れ、ここまで素晴らしいルールブックに仕上げることはできなかったかもしれません。