『ラビットホール・ドロップスG』の協力にクレジットをいただきました。

 伏見健二さんから、エテルシア・ワークショップ/グランペールの新作RPG『ラビットホール・ドロップスG』の見本をご恵贈いただきました。すでに「Role&Roll Station」等のアナログゲーム専門店、およびAmazon.co.jpでは入手可能です。
 『ラビットホール・ドロップスG』は、初心者向けRPG『ラビットホール・ドロップス』の単独で遊べるバリアントです。グリム童話の世界をモチーフにして、「物語」の原点を体感できる仕様となっています。数値的なシステムの大胆な簡略化、フルカラー・ルールブックの採用など、「絵本のようなRPG」がここに実現しました。特に、付属のシナリオが充実していて、グリム童話をうまく咀嚼できており、素晴らしい。シナリオ記法の勉強にもなりました。
 今回の『ラビットホール・ドロップスG』には、児童文学研究者(白百合女子大学児童文化研究センター構成員、日本児童文学者協会会員)の佐々木江利子さんによるまえがき、「グリム童話の魅力」および「児童文学TRPG活動と『ラビットホール・ドロップス』が付されているのも大きな特徴です。それが素晴らしいので、こちらでも一部抜粋・紹介させていただきましょう。

 昔話には、まだ誰もが文字を持てない時代からの、人が生き抜くための叡智や、人間のおろかさや美しさがわかりやすく、かつ象徴的なことばで示されています。先ゆきを見通すことのできない現代にあって、行動を起こし、生きてゆこうとする意志と、世界への信頼回復は、私たち、そして次世代の子どもたちに残り続ける心の栄養素になることでしょう。

 特筆すべきは、児童文学者たちとのコラボレーション企画「児童文学TRPG」がデザイナー公認のもとで進行していることです。これは児童文学の作家たちが集まり、『ラビットホール・ドロップス』を遊んだ経験をもとに小説を書くというもの。記念すべき最初の「児童文学TRPG」誌が、日本児童文学者協会のイベントに合わせて発刊されました。
 なお、本作にはAnalog Game Studiesも協力としてクレジットをいただいております。『ラビットホール・ドロップス』の可能性に、わずかながらも貢献できて、こんなに光栄なことはございません。

ラビットホール・ドロップスG

ラビットホール・ドロップスG