齊藤飛鳥さんの児童文学作品『子ども食堂かみふうせん』(国土社)、好評とのことで二刷が出ました。本作ではRPGをプレイする描写が重要な位置を占めるのですが、この点、専門家の見地から監修をいたしました。初版も素晴らしい出来でしたが、より精度の高い内容になり、自信を持ってお薦めできます。
齊藤飛鳥さんの児童文学作品『子ども食堂かみふうせん』(国土社)、好評とのことで二刷が出ました。本作ではRPGをプレイする描写が重要な位置を占めるのですが、この点、専門家の見地から監修をいたしました。初版も素晴らしい出来でしたが、より精度の高い内容になり、自信を持ってお薦めできます。 pic.twitter.com/S9Q5ya5Cpu
— 岡和田晃_『骨踊り 向井豊昭小説選』 (@orionaveugle) 2019年6月17日
以下は初読の時の感想です(2018年12月29日)
佐々木江利子さんにご紹介いただいた、齊藤飛鳥『子ども食堂かみふうせん』(国土社)を読了。面白い。育児放棄されるなどした子どもの居場所として、百円で食事をふるまう「子ども食堂」を舞台にしたオムニバス。作者は児童文学の実績があるが、今年「ミステリーズ! 新人賞」も受けている。
深刻な社会問題を扱いながら、うるさくしない配慮が随所にある。食堂で子どもたちは、想像力を駆使する遊びとしてTRPGをする!、システムは、伏見健二さんの児童文学RPG『ラビットホール・ドロップスV2』。GMの子は、『ローズ・トゥ・ロード』を遊んでいたゲーマー夫婦の2世。異様にリアルだ(笑)。
育児放棄された子どもたちは、必ずしも「従来」の貧困層ではない。ジュニアアイドルの妹ばかり親が構う鬱積から、野宿者を襲撃している男児などもいる。他方、アジールであることからコミニュケーションの場ともなり、お金のかからない遊びであるTRPGは誰もが参加しやすいものとして出てくる。
『子ども食堂かみふうせん』に出てくる『ラビットホール・ドロップスV2』はこれです。ルールブックはたった500円。ちなみに作者は、同作をノベライズした「児童文学TRPG」という雑誌にも参加していましたから、実際のプレイ経験がもとになっているのでしょうね。