「笙野頼子ばかりどっと読む」でご紹介をいただきました。


 「笙野頼子ばかりどっと読む」にて「星座を作ってみる」として、私の作品群について大きく取り上げていただいています。


笙野頼子ばかりどっと読む
http://d.hatena.ne.jp/Panza/20090707


 管理人のPanzaさんは、情実に流されていいかげんなことを言う人ではないので、とても嬉しく思います。
 また、蛇足ですが解説しますと、ここでの「星座」というのは、ベンヤミンの言う「星座的配置」(『ドイツ悲哀劇の根源』)を意味しています。そう、確かに私は個々の「孤独の宇宙」から、星ぼしを取り出し、それらを繋げたかったのでした。


 私の知るPanzaさんは、笙野頼子「だけ」読む人ではなく、知的な好奇心が広く、旺盛な方。
「読まずにわかったふりをする」ことを絶対にしないその姿勢には、全幅の信頼を置くことができます(実際、多くの文芸畑で活躍している「プロ」の書き手よりも、Panzaさんの方が遙かに深くものを考えているでしょう)。


 私は笙野頼子へファンクラブ的に接したことは一度もなく、むしろ彼女の書いたものを――柳下毅一郎さんがバラードを哲学者として読むように――批評的に接し、突き放して分析しているつもりでいます。
 しかし同時に、Panzaさんのように粘り強く、全身でテクストに向かう読み方には、学ぶべきものが多々あります。そして、そのスタイルによりとかく誤解されがちですが、笙野頼子は思想家としても信頼が置けるということを私が確信したのは、ほかならぬPanzaさんの影響によるのです(あと一人挙げるとしたら、佐藤亜紀氏)。


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 今回、特に嬉しかったのは、普通だと「RPGリプレイなんて読まない人」に分類されるだろうPanzaさんが、拙著を読んで感想を下さったことです。
 私は同書を書き上げた際に、既存のRPGゲーマーはもちろんのこと、今までRPGについて知らなかったり、文学書をメインで読んでいる人にも、触れてもらいたいと願いました。自分なりにRPGとはどういうものであるかを追究し、なるべく開かれた表現にしたつもりなので、そのスタイルをぜひ知ってもらいたいと思ったのです。
 ジャンルの垣根なんざぶっ壊していい。
 そうした想いが通じたようで、感慨深いものがありました。ありがとうございます。