「SFセミナー2014」の本会企画「「世界内戦」下、SFに何ができるか」にゲスト参加します

 2014年5月4日〜5日に開催されるサーコン系(SeriousでConstructiveな、という意味)のSFコンベンション、「SFセミナー2014」の本会企画(お昼の企画)の2コマ目(13:00〜14:00)「「世界内戦」下、SFに何ができるか」にゲスト参加します。本会企画のゲスト参加は「SFセミナー2009」以来、5年ぶり2回目。今年の会場はいつもと違って、虎ノ門の発明会館ですので、ご注意ください。
 過去、「SFセミナー」の合宿企画では、「仁木稔と「HISTORIA」シリーズを語る」、「樺山三英と一緒に、樺山三英の小説を語ろう」といった企画をやってきました。前者は「「世界内戦」下の英雄(カラクテル)」という批評に反映され、後者の模様はspeculativejapan(現在改装中)で発表された後、拙著『「世界内戦」とわずかな希望』に収められたわけですが、いよいよ本会企画で凱旋と相成った次第です。ぜひお越しください。以下、私の筆になる企画紹介です(著者プロフィール作成にはタッチしていません)。

「世界内戦」下、SFに何ができるか
出演:仁木稔樺山三英、他(予定)進行:岡和田晃
 SFを取り巻く状況が大きく変化しています。伊藤計劃が『虐殺器官』で描いた風景が、没後五年の今年、早くも現実になりつつあります。ウクライナや台湾で大規模な政治的衝突が起こるなか、日本でも周辺諸国との緊張がかつてないほど高まり、ネット上には差別的な言辞が今まで以上に溢れています。時代はまさしく「世界内戦」のさなか。このたび、そうしたリアリティを多角的に捉えた仁木稔の新作短篇集『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』(ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)が発売になります。それを記念して、著者の仁木稔氏と、「SFマガジン」に連載された「無政府主義者の帰還」や著名文芸誌に掲載寸前で拒否された「セヴンティ」(「季刊メタポゾン」10号)の著者・樺山三英氏をお招きし、現代社会をSFはいかに描くべきか、来場者の方々と一緒に考えていきます。(文責・岡和田晃


仁木稔(にき みのる)
1973年長野県生まれ。龍谷大学大学院文学研究科修士課程修了。専攻は東洋史学。2004年『グアルディア』で作家デビュー。他の作品に『ラ・イストリア』『ミカイールの階梯』など。
樺山三英(かばやま みつひで)
1977年東京都生まれ。学習院大学文学部卒。『ジャン=ジャックの自意識の場合』で第8回日本SF新人賞を受賞して2007年にデビュー。他の作品に2009年『ハムレット・シンドローム』、2012年『ゴースト・オブ・ユートピア』など。
岡和田晃(おかわだ あきら)
1981年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。TRPGリプレイライター、翻訳家、およびSF・文芸評論家。2010年、評論「「世界内戦」とわずかな希望―伊藤計劃虐殺器官』へ向き合うために」で第5回日本SF評論賞優秀賞受賞。著書に、『ガンドッグゼロ リプレイ アゲインスト・ジェノサイド』『「世界内戦」とわずかな希望―伊藤計劃・SF・現代文学』がある。