「未来」2015年冬号(No. 578)に「「近代文学の終り」と、樺山三英「セヴンティ」――3・11以後の〈不敬文学〉」を掲載いただきました。

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 ここで私は「「近代文学の終り」と、樺山三英「セヴンティ」――3・11以後の〈不敬文学〉」という批評文を寄稿いたしました。大江健三郎の「セヴンティーン」を批評的に「継承」した樺山三英の問題作「セヴンティ」(「メタポゾン」10号)を論じたもので、昨年行なった「SFセミナー2014」での「「世界内戦」下、SFに何ができるか」や、日本近代文学会大会での「「世界内戦」と現代文学――創作と批評の交錯」シンポジウムと連関した内容となっております。
 私がこれまで持続的に問題としてきた「伊藤計劃以後」を真剣に考えたひとつの中間報告であるとともに、『向井豊昭の闘争』で扱った「近代文学の終り」について、考えを進めたものでもあります。さらに――ここが重要なのですが――SFの賞で出た(とりわけ若い)日本の書き手が学術出版の「未来」で論の対象とされるのは、初めてのことかもしれません。編集のAさんのご尽力に深く敬意を表します。