『HARP-SF』を入手しました。

 JGC2009でお声をかけて下さった皆様、どうもありがとうございました。
 『ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版』体験セッション、ならびに『d20ハーン』にお越し下さり、どうもありがとうございました。
 詳しいレポートはまた、近いうちに書きたいと思います。


 それはそうと、『HARP-SF』のPDFファイル(英語)をダウンロード購入しました。
 『HARP-SF』とはICE社が出しているSF-RPGのことで、基礎的なスペースオペラ(蔑称ではなく、ちゃんとした積み重ねのある歴史的ジャンルとしての)的な背景設定が、実にかっちりと扱いやすく明文化されています。私のブログをご覧のSF者には、ぜひ読んでいただきたいと思います。
 一言で言うと、いわゆるハヤカワSF文庫的世界観と申しましょうか。それが過不足なく扱えるという仕様になります。

 季刊「R・P・G」誌3号に、ヌヌ@幻想遊戯さんによる詳しい記事が載っていますが、ウェブ上でも、日本語で読める解説文が「ICE JAPAN」のサイトに掲載されています。

R・P・G vol.3―本格派アナログゲーム情報誌

R・P・G vol.3―本格派アナログゲーム情報誌

・HARP-SF
http://japan.ironcrown.com/index.php?page=igames/IntroHARPSF

 あなたの考える未来… それはハープSFにあります! ハープSFはよく整ったSF系ロールプレイング・ゲームであり、近い将来に1つの居住区で起こる出来事に焦点を当てたゲームであったとしても、はたまた遠い未来に起こる宇宙を舞台とした1000年規模の英雄物語であったとしても、必要なもの全てがそろっているのです。


 ハープSFは元となったファンタジー・ゲームのハープ(HARP)の簡単さと自由度を完全に維持しつつも、さらに無限の可能性を秘めた新しい宇宙世界へとその手を伸ばすための拡張が施されています。


●ハープSFの掲載内容:


・11もの冒険職
・7種類もの種族(人種)
・100を超える強化能力
・80を超える技能
・近代および未来の武器や鎧や装備
・銃器やエネルギー兵器によるハイテク戦闘のルール
・電脳技術や走査式読取装置,宇宙と異星人世界での危険な出来事,その他すべてのSF冒険もので見られることに関するルールとガイドライン
・超能力


 どんなRPGでも、ゲーム中で体験することができるよく考えられた奥深い設定を提供することが必要となります。ハープSFでは、シスオペ(ハープSFではゲームマスターのことをこう呼ぶ)が自分で宇宙設定を作らなくてもタンタマール宇宙という設定がすでに準備されているのです。


 タンタマール宇宙は我々の宇宙が25世紀になったとしたらという世界で、超光速航行,宙域人口爆発と宇宙移民,遥か遠くの星の異星人種族,遺伝子操作で強化された人間たち,サイボーグ,人工知能,ロボット,最先端技術,風変わりな超常能力といったものがある世界となっているのです。


 500年先の未来、人類は銀河系の中にまで手を伸ばして何十もの宙域へと移民し、そしてまったく知られていなかった新人種の者たちと遭遇してゆくことになるのです。こうして、すべての中でもっとも驚くべき発見である「転送ポート」が発見されるに至ります。これは大昔の異星人が造った遺物であり、何日もかかる距離をほんの数分で移動することができるという代物だったのです。こうして、今やその程度の距離は地球の裏庭となったのです!


 新たな好機に新たな危機という無数の矛盾を抱えた豊富な世界観の中で、勇敢な英雄たちは名声と富を勝ち取ることができるのです!

 『HARP』は、一見いかめしく見えないこともないですが、とても扱いやすいシステムだと思っています。特に、d100上方ロールはシンプルで扱いやすいですし、痛打表が決まれば気持ちいい。慣れたら戦闘以外の運用も楽しい。
 日本ではSF-RPGは売れないという哀しいジンクスが叫ばれているようですが、そのようなご時世だからこそ、『HARP-SF』は注目されてしかるべきです。


 そもそも、私も「R・P・G」誌の『トラベラー』論に書きましたが、架空世界をきっちり設定して運用するという意味で、RPGとSFほど相性のよいジャンルはないと思います。
 現に、『HARP-SF』のシステムや世界観をきちんと押さえられるようになれば、『シンギュラリティ・スカイ』のようなぶっとんだ、それでいてところどころが精緻なニュー・スペースオペラでも、充分に楽しめるようになるのではないかなあ、なんてぼんやり考えていたりしています。

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)