2018年4月の仕事

・【批評】「印象批評を裏返しにし、レイシズムの問題やフレンチ・セオリーへと接続する ラヴクラフトと「クトゥルー神話」の新たな古典――ミシェル・ウエルベック『H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って』書評」(「図書新聞」2018年4月7日号)
・【創作】「『トンネルズ&トロールズ完全版』ソロアドベンチャー 無敵の万太郎とシックス・パックの珍道中(ワンダリング・アドベンチャー)〜“赤の魔術師”の迷宮へ〜」(「ウォーロック・マガジン」創刊号、グループSNE、2018年4月)
・【批評】「FFによる遊戯史学のススメ」(「ウォーロック・マガジン」創刊号、グループSNE、2018年4月)
・【イベント】「『パラノイア 【ハイプログラマーズ】のゲームマスター」(「『パラノイア』オンリーコンベンション 許可コン!」、2018年4月8日、於:イエローサブマリン秋葉原RPGショップ)
・【インタビュー】「差別拡散に抗す力を」(聞き手:村田亮、「北海道新聞」2018年4月12日朝刊、連載「こころ揺らす」の最終第9部「アイヌと社会の未来を語る」第4回)
・【イベント】「幻想文学集中ゼミ E・F・ベンスン『見えるもの見えざるもの』講読」(2018年4月13日、於:双子のライオン堂書店)
・【批評】「〈世界内戦〉下の文芸時評 第38回 「ボヴァリー夫人は私だ」と言うために」(「図書新聞」2018年4月21日号)
・【監修】【ゲームデザイン朱鷺田祐介岡和田晃待兼音二郎「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ&運用ガイド 太陽は、金色の林檎」(「Role&Roll」Vol.163、新紀元社
・【歴史コラム】文:岡和田晃・イラスト:見田航介「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典 第44回 波瀾万丈の大名行列──王侯貴族や聖職者の旅路」(「Role&Roll」Vol.163、新紀元社
・【創作】【監修】川嶋侑希+岡和田晃「Utopia」(「SF Prologue Wave」2018年4月20日号)
・【紹介】「月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.162「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ&運用ガイド 老いたる霊長類の星への挽歌」」(「SF Prologue Wave」2018年4月20日号)
・【協力】「第38回日本SF大賞選評小冊子 功績賞・山野浩一氏プロフィール作成」(日本SF作家クラブhttp://sfwj.jp/awards/Nihon-SF-Taisho-Award/38/20180616221224.html
・【書評】「R・A・ラファティ『地球礁』」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)No.74」、アトリエサード、2018年4月)
・【書評】「シーベリー・クイン「道」」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)No.74」、アトリエサード、2018年4月)
・【書評】「E・F・ベンスン『見えるもの見えざるもの』」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)No.74」、アトリエサード、2018年4月)
・【批評】「山野浩一とその時代(3)脱領域に踏み込む「小説世界の小説」」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)No.74」、アトリエサード、2018年4月)
・【批評】「『恐怖の墓所』のその先へ――SF・ファンタジイとアナログゲームの系譜学」(「SFマガジン」2018年6月号、早川書房
・【イベント】「『エクリプス・フェイズ』のゲームマスタートークショー」(『エクリプス・フェイズ』オンリーコンベンション、主催:幻界堂、於:江戸川区小岩区民会館、2018年4月29日)

 「TH」No.74では、阿澄森羅、石和義之、高槻真樹、待兼音二郎、松本寛大ら各氏の批評について、監修させていただきました

東海大学文芸創作学科の非常勤講師になりました。

 2018年4月より、東海大学に新設される文化社会学部(https://t.co/n83oaZs582)にある文芸創作学科の非常勤講師となりました。いわゆるクリエイティヴ・ライティング専攻ですね。2コマの講義を受け持ちます。

日本文藝家協会入会スピーチ

 昨年、岡和田晃日本文藝家協会に入会したのですが、今年は総会と懇親会に参加することができました(2018年5月10日)。その場で、新入会員14名の代表として、なぜか私にスピーチをご依頼いただきました。急だったのですが、なんとか即興で噛まずにスピーチができました。自己紹介としてもわかりやすいかと存じますので、以下、その内容を思い出しつつ書いてみます。

 このたびは伝統ある日本文藝家協会に入会推薦をいただき、たいへん光栄でございます。
 推薦理事の三田誠広さんには、18年前、北海道から上京して早稲田大学に入った最初の年に、教えを受けたことがあります。文学を「深くて美味しい」ものにするには実存を掘り下げるのが必要ということ、また作品に根付く神話的な構造を読み解く必要があると教えていただき、フラフラしていた当時の私には重要な指針となりました。
 今では文芸評論を手がけるようになり、今年の1月には、もう1人の推薦理事である川村湊さんと「北海道文学の可能性」と題し、地域と文学をテーマに2時間半ほどの対論を熱っぽく行なって参りました。
 文藝家協会に入ることを決めたのは、昨年の7月20日に亡くなった山野浩一会員に相談したところ、「弁護士にとっての弁護士会、医師にとっての医師会のようなもので、是非入っておくといい」と、勧められたからです。(会場笑)
 その山野浩一さんは競馬評論の仕事でとりわけ著名ですが、SF作家としてスタートした方で、従来の「科学小説、サイエンス・フィクション」としてのSFを「思弁小説、スペキュレイティヴ・フィクション」に読み替え、最先端の世界文学に接続しました。
 私は山野さんの本を作っており、来月か再来月には自分の新しい批評集も出るのですが……昨今、複雑な世界を過剰に単純化する言説が蔓延していることが気になります。私はむしろ思弁性をもって複雑さを擁護し、嫌な空気にできるだけ抗いたいと考えています。
 自己紹介をせよとのことなのでもう少しお話させていただきますと、私は三田先生に小説作法を教わったのに批評を書いています。これはよく言われるように、作家になろうとして挫折し、批評家に転身したわけではありません。
 いまは批評を書くにあたっても創作者の視点がなければ、優れたものは書けません。実際に私は、英語圏の流れを汲むロールプレイングゲームの翻訳やシナリオの執筆、ゲームブックの執筆なども行なっており、キャリアとしてはそちらの方が古いくらいです。つまり発想が同じなのです。複雑な構造を持つ新しいメディアにも積極的に目配りすることで、他の13人の新入会員とともに、文藝がいっそう豊かになるように微力を尽くせればと思います。

 同伴者として参加してくれた東條慎生さんが、会場の写真を撮ってくれました。

「北海道新聞」2018年4月12日「こころ揺らす」インタビュー

 2018年4月12日の「北海道新聞」朝刊に、連載「こころ揺らす」の最終第9部「アイヌと社会の未来を語る」第4回として、岡和田晃へのインタビュー「差別拡散に抗す力を」を掲載いただいています。差別が生じる仕組み、ネットでのヘイトスピーチがなぜ問題か、リテラシー涵養の必要性を訴えています。

2018年3月の仕事

・【翻訳】【創作】“熊の”J・ピーターズ&ケン・セント・アンドレ著、安田均清松みゆき高山浩岡和田晃、杉本=ヨハネ、笠井道子訳・創作『ベア・ダンジョン+ベア・カルトの地下墓地+運命の審判』(グループSNE
・【批評】「〈世界内戦〉下の文芸時評 第三七回 「制度」を強化させるための批評とは異なる道筋」(「図書新聞」2018年3月17日号)
・【イベント】「『トンネルズ&トロールズ』完全版のゲームマスター」(グループSNEコンベンション、2018年3月17日)
・【ゲームデザイン岡和田晃:著、朱鷺田祐介待兼音二郎:監修「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ&運用ガイド 老いたる霊長類の星への挽歌」(「Role&Roll」Vol.162、新紀元社
・【監修】山野浩一「丘の上の白い大きな家」(「SF Prologue Wave」2018年3月20日号)
・【創作】藤田莉+岡和田晃キュイジニエの旅」(「SF Prologue Wave」2018年3月20日号)
・【紹介】「月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.161「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ 宇宙要塞『神龍(シェンロン)』の悪夢」」(「SF Prologue Wave」2018年3月20日号)
・【イベント】萩原朔美×岡和田晃「地域から始まる文学再生(ルネッサンス)」(前橋文学館、2018年3月24日)

 その他、「層 映像と表現 vol.10」(北海道大学大学院/ゆまに書房)の藤元登四郎・石和義之・忍澤勉の各氏の論文を査読いたしました。

2018年2月の仕事

・【イベント】「北海道文学集中ゼミ 第2回 釧路文学というトポス」(於:双子のライオン堂書店、2018年2月1日)
・【イベント】「北海道文学集中ゼミ 第3回 アイヌ“による/を描いた”文学」(於:双子のライオン堂書店、2018年2月8日)
・【レポート】古家昌伸、久才秀樹「北海道文学の可能性 岡和田晃×川村湊」レポート(「北海道新聞」2018年2月9日夕刊)
・【批評】「〈世界内戦〉下の文芸時評 第三六回 「敵」としての文芸時評宣言」(「図書新聞」2018年2月17日号)
・【イベント】「『エクリプス・フェイズ』オンリーコンベンションのゲームマスター」(主催:サークル閑話堂、2018年2月11日)
・【アンケート】「ベストSF2017 国内編・海外編」(『SFが読みたい! 2018年版、早川書房
・【エッセイ】「2018年のわたし」(『SFが読みたい! 2018年版』、早川書房
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第一回 『文学のプログラム』の衝撃」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687692
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第二回 北海道とロシアの一八七〇年問題」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687722
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第三回 〈アイヌ〉の強制移住、鹿野武一、エスペラントと「連続する問題」」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687793
・【監修】【ゲームデザイン朱鷺田祐介:著、岡和田晃待兼音二郎:監修「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ 宇宙要塞『神龍(シェンロン)』の悪夢」(「Role&Roll」Vol.161、新紀元社
・【監修】待兼音二郎著、見田航介イラスト「戦鎚傭兵団の中世“非”幻想事典」第43回 労働力不足なのに待遇悪化ってどういうこと? ワット・タイラーの乱」(「Role&Roll」Vol.161、新紀元社
・【監修】待兼音二郎「古椿姫」(「SF Prologue Wave」2018年2月20日号)
・【紹介】「月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.160「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ スペース闇金道――情報難民をさいなむドラッグ」」(「SF Prologue Wave」2018年2月20日号)
・【サイト開設】山野浩一公式Webサイト(新)(http://koichiyamano.blog.fc2.com/
・【書評】「来るべき世代の秘密諜報部員」に向けて記した手引書――ウォルフガング・ロッツ『スパイのためのハンドブック』書評」(シミルボン)
・【電子書籍】『日本現代卓上遊戯史紀聞 [1]安田均』(聞き手:岡和田晃、沢田大樹、山本拓、ニューゲームズオーダー)
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第四回 検閲されたものを検閲し返す、「プロパガンダ・ウォー」ではない批評」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687908
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第五回 「不一致」という理論、「怪道をゆく」との出逢い」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687924
・【批評】「幻想文学批評と「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」――自らの姿を反映する言語」(「ナイトランド・クォータリーvol.12 不可知の領域――コスミック・ホラー」、アトリエサード
・【対談】山城むつみ×岡和田晃「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ 第六回 偶然性の自由と、加害の問題」(シミルボン)https://shimirubon.jp/columns/1687952

2018年1月の仕事

・【書評】「断念の感覚の漂着点――中原清一郎『人の昏れ方』書評」(「文藝」2018年春号、河出書房新社
・【書評】「真なる暗黒を求める昏い熱気を継承すること――包括的な「ベルギー文学」としての幻想文学再評価 岩本和子・三田順編訳『幻想の坩堝』書評」(「図書新聞」2018年1月13日号)
・【イベント】「対論「北海道文学」の可能性」(川村湊との対論、於:北海道立文学館、2018年1月13日)
・【批評】「拡張現実を過去にも適用する、「弱い」インターフェイス」(「〈世界内戦〉下の文芸時評」第35回、「図書新聞」2018年1月20日号)
・【小説】「X橋」(ショートショート、「SF Prologue Wave」2018年1月20日号)
・【紹介】「『月刊アナログゲーム情報書籍「Role & Roll」Vol.159「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ 歯車の音 あるいは多元宇宙の崩壊」』(「『エクリプス・フェイズ』」情報、「SF Prologue Wave」2018年1月20日号)
・【監修】待兼音二郎著、朱鷺田祐介岡和田晃監修「『エクリプス・フェイズ』入門シナリオ スペース闇金道」(「Role&Roll」Vol.160、新紀元社
・【イベント】「北海道文学集中ゼミ 第1回 「北海道文学」とタコ部屋労働」(於:双子のライオン堂書店、2018年1月18日)
・【書評】「異議を申し立てる文学――木村友祐『幸福な水夫』書評」(「デーリー東北」2018年1月26日号)
・【書評】「ジョン・ヴァーリイ『汝、コンピュータの夢』レビュー」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.73、アトリエサード
・【書評】「サックス・ローマー『魔女王の血脈』(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.73、アトリエサード
・【批評】「山野浩一とその時代(2) サンリオ闘争という苦難」(「TH(トーキング・ヘッズ叢書)」No.73、アトリエサード

 「TH」No.73では、その他、田島淳、待兼音二郎、石和義之、高槻真樹、松本寛大、西村遼の各氏の仕事の監修もいたしました。