HARP+HARNを遊んできました。

 そういえば今月頭に、ICE JAPANを旗揚げされ、『ロールマスター』日本語版の復刊を手がけたことで話題になったヌヌ@幻想遊戯さん、『ハーンマスター』日本語版翻訳者の田沼貴弘さんたちと、『ハーンワールド』を遊んできました。


・ICE JAPAN
http://japan.ironcrown.com/index.php?page=igames/IntroRM


 システムは『ハープ・ライト』日本語版。名作『ロールマスター』の簡易版という装いながら、なかなかどうして奥深いRPGです。
 『ハープ・ライト』は、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第3版以降の精密志向と、『ロールマスター』の持っていたキャラクターメイキングの奥深さと「痛打表」の面白さを併せ持ったゲームです。
 「痛打表」とは、武器の攻撃ロールである一定以上の値を出すと振ることのできる表で、ダメージのほかに、とっても痛そうな描写がついてくるというものです。
 例えば、「切り裂き痛打表」で118を振ると……。

 激しい斬撃によって動脈を切断。血が激しく噴き出し、ひどく苦しみつつ死んでゆく。38打点。5ラウンド麻痺。毎ラウンド4点出血。5ラウンドのうちに死亡。

 というこのうえなくリアルで痛そうな描写が「ルールによって」与えられるというわけです!
 素晴らしいでしょっ!!(力説)


 この『ハープ・ライト』が汎用ICE社のサイトから無料でダウンロードできますので、ぜひとも落としてみて下さい。
 なお、以下の写真はイラストがツボだった『ハープ・ライト』の原書です。


・HARP LITE 日本語版(Japanese PDFs HARP Lite in Japanese)
http://shop.ironcrown.com/index.php?main_page=product_info&cPath=120&products_id=685



 シナリオは、ハーン島西部のカンデイ王国を舞台に、宿屋や娼館めいた教会での情報収集、領地代官との交渉、山賊やガルグーン(『ハーン』世界でのオーク。なんと卵生!)との戦いなど、バラエティ豊かな構成のシナリオとなりました。


 汎用システム、汎用ワールドで遊んだわけですが、非常にうまくマッチしたように思えます。奥行きのあるワールドでリアル志向のシステムを遊ぶと達成感や満足度が違いますね。
 ちなみに、『ハーン』世界は情報量が多いので敷居が高いように思われがちですが、プレイヤーをやるうえでは、『ハーンワールド』のみで情報は事足りたように思えます。読み込めば読み込むほど味が出てくるシステム&ワールドではないかと思いました。


 個人的にワールドで面白かったのは、「荘園」の扱いでした。西欧中世史で真っ先に教えられるのが「荘園」についてですが、不思議とファンタジーRPGでの言及は少ないですね。これを正面から扱っているのって、ハーンくらいかもしれません。
 もっとも、荘園についての解説サプリメントである『ハーンマナー』が未訳なので、そのぶんは、『中世ヨーロッパの農村の生活』などの資料を傍らに、「Harn.jp」でサポートしている情報をサポートとして活用しながら遊んでみるのがよいかもしれません。

中世ヨーロッパの農村の生活 (講談社学術文庫)

中世ヨーロッパの農村の生活 (講談社学術文庫)

 とにかく、リアルで絶大に面白かった。『ハーン』の奥深さを感じました。
 皆さんもぜひ、『ハープ・ライト』や『ハーン』世界を遊んでみて下さいまし。