SFセミナー合宿企画で「Speculative Japan」の読書会をやります!


 以前もエントリを書きましたが、わたくし岡和田晃、来たる5月2〜3日に東京・お茶の水にて開催されるSFセミナーの本会の「若手SF評論家パネル」にパネリスト参加させていただくことになりました。
 SFセミナーとは、30年近い伝統があるサーコン系のイベントで、昼間の本会企画(講演会)と、夜の合宿企画より構成されます。サーコン系というのは、基本的に理論畑のイベントだということですね。


 大学系のイベントを除けば、活字文化を愛する人たちが集まる日本でも最大規模のイベントと言ってよいと思います。
 普段、近くに小説の話をできる相手がいなくて孤独を感じている方は、ぜひSFセミナーに参加して盛り上がるべし!


SFセミナー
 http://www.sfseminar.org/


 けれども、私が参加を予定しているのは昼間の本会企画だけではありません。
 合宿でも企画をやります!
 そのうち、私が担当するパネルの詳細が決まりつつあります。
 

 そう、何を隠そう、ニューウェーヴ/スペキュレイティヴ・フィクション集団「Speculative Japan」の読書会です。もちろん、開かれたパネルですので、「Speculative Japan」のメンバーやコミュニティの参加者ではなくても参加できますよ。内輪ネタでこり固まったりもしません。


・Speculative Japan
http://speculativejapan.net/


 課題図書は一大奇書、『楽園への疾走』なのですが、訳者の増田まもるさんも参加予定です!
 若干、変更がかかるかもしれませんが、以下のような内容で申請を出しました。
 ぜひ、SFセミナーまでに『楽園への疾走』を読み、合宿企画で一緒にスペキュレイティヴ・フィクションの可能性を考えていきましょう!

●企画名:「Speculative Japan」読書会


 課題図書:J・G・バラード『楽園への疾走』(創元SF文庫)


 解説:常にSF界の最先端を幻視する「Speculative Japan」が、SFセミナーの合宿で企画を決行! 3月末に創元SF文庫で出たばかりのJ・G・バラードの奇書『楽園への疾走』。訳者の増田まもるを迎え、同作品のダイナミズムを思考する! バラードやスペキュレイティヴ・フィクション一般の話題も可。


 出演(予定):増田まもる 永田弘太郎 仁木稔 夜明ちかし 岡和田晃 (ほか)

 

楽園への疾走 (創元SF文庫)

楽園への疾走 (創元SF文庫)


 増田まもるさんは、『楽園への疾走』をはじめ、バラード作品だと『夢幻会社』を訳されているベテラン翻訳家です。現在は同じくバラードの『ミレニアム・ピープル』の翻訳作業をされています。

 
 永田弘太郎さんとは、SFセミナーの代表の方です。雑誌「トーキングヘッズ」などで健筆を振われていることでも印象深いです。現在は(株)本の出版社の代表取締役をしておられます。


 仁木稔さんとは、『グアルディア』、『ラ・イストリア』など、練り込まれた世界観の構築が特徴的な小説を書いておられる作家の方です。近々、新作『ミカイールの階梯』が早川SF-Jコレクションより刊行が予定されています。

グアルディア (SFシリーズ・Jコレクション)

グアルディア (SFシリーズ・Jコレクション)

 夜明ちかしさんとは、社会科学、とりわけ経済学に強いSF者の方です。個人的には、日本でいちばん円城塔作品の本質を理解している方ではないかと思っています。


 こうした(私以外は)豪華な参加者が、『楽園への疾走』からどのような読みを引き出すのか。21世紀のスペキュレーションを体感するために、ぜひSFセミナーの本企画にいらして下さい!