「シャドウハントの霊廟」のリドル
ようやく、『雷鳴山の迷宮』と『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版の『モンスターマニュアル』を入手しました。う、嬉しい……。これで環境的にはもう怖いものなしだ!
雷鳴山の迷宮 (ダンジョンズ&ドラゴンズ H2 英雄級アドべンチャー・シナリオ2)
- 作者: リチャードベイカー,マイクミアルス,定木大介
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/03/19
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 6回
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ダンジョンズ&ドラゴンズ モンスター・マニュアル第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)
- 作者: マイクミアルス,スティーヴンシューバート,ジェームズワイアット,桂令夫,岡田伸,北島靖巳,楯野恒雪,塚田与志也,柳田真坂樹
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2009/03/31
- メディア: 大型本
- 購入: 3人 クリック: 11回
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その『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の日本語版公式サイトから、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版対応の無料ダウンロードシナリオ「シャドウハントの霊廟」が落とせるようになっていると、以前このブログでお知らせをさせていただきました。
・シャドウハントの霊廟
http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/support/index.html
実は、このシナリオではリドル(謎かけ)がかなり重要な要素となっています。トールキンの『ホビットの冒険』で出てきたようななぞなぞのことですね。
以前、「シャドウハントの霊廟」を遊んだ際、思いのほかこのリドルに手こずりました。きっと、同じように苦労されている方も多いと思います。
けっこう内容を理解するのが難しいんですよね。そこで、一緒に「シャドウハントの霊廟」を遊んだ翻訳チームの岡田伸さんが、「このリドルは何を言っているのか?」ということをわかりやすく解説して下さいました。
その岡田さんからいただいた解説を、僕なりに整理して掲載させていただきます。
「シャドウハントの霊廟」をDMとしてプレイする人は、リドル運用の一助として下さい。
※ネタバレにつき、これより先は隠してあります。DMをやる予定ではない人は読まないで下さい。
※以下、あくまで岡田さんのご意見を岡和田なりにまとめ直したもので、当然、公式の見解ではありません。運用の参考としてご理解下さい。また、既存の訳文にケチをつけるものではありません。
シナリオには、リドルについて日本人ユーザー向けの詳しい提示のヒントが書かれていて、それを読んだほうがわかりやすく思えることもあると思います。
でも一方、単純に考えたほうが案外すっきり行くこともあるのは確かでしょう。
ここでは、「シャドウハントの霊廟」のリドルを単純かつわかりやすく理解する方法について考えてみます。
このリドルの正解ってとってもシンプルなもので、
1:スタート地点は入り口から入ってすぐの左側の石棺
2:最初はバハムート
3:バハムートとペイロアを交互に置く
結局、これだけのことになります(笑)
バハムートとペイロアの関係については右とか左とか難しいことを考える必要はなく、単にfollowを「続く」と理解してしまってもいいのではないでしょうか。
まず第1に、像を霊廟の外側に向けろとも、内側に向けろとも書いてませんから、ペイロアから見てバハムートが右側、ということには(最終的に)意味がありません。それに、最終的にはどのペイロア像も、左右にバハムート像が並ぶわけですから、(最終的に)「ペイロアが右手でバハムートを支えている」という感じにはなりません。
また並べて行く方向にしても、配置的には時計回りに並べて行っても半時計周りに並べて行っても、最終的には同じことになります。
つまり最初のリドルの訳は「息子が父に続くとき」とし、日本語で遊ぶときのDMへの示唆としては「輝かしき御子が陛下に続く時……」といった感じで理解して良いのではないかと思います。
で、DMに対するネタばれとして指摘するべきなのは、
1:英語で「息子=son」と「sun」は同じ発音である。
2:「sire」には古英語で「父」という意味もあるが、君主に対する呼びかけにも用いられ、バハムートはしばしば「sire=陛下」と呼ばれる。
この2点に絞ってもよいのではないでしょうか。
実際にプレイしたときのことを考えると、逆に「右手で支える」という言葉を足すことによって、「何を基準に右とか左とか考えたらいいんだろう」と、無駄に悩んでしまったような気がします。
情報が多いことによって正解がひらめく人もいるかもしれませんが、情報の多さであれこれ悩んでしまう人もいるでしょう。プレイグループの方向性によっては、思い切って提示するヒントはシンプルにした方がうまく行くこともあります。
それでも思考が妙な方向へ飛んでしまって、リドル自体が煮詰まってしまったとしたら、日本語版『ダンジョン・マスターズ・ガイド』のP.84にある「パズルを技能チャレンジとして処理する」を参考に、「技能チャレンジ」をやらせてみるのも解決作としてはよいのではないでしょうか?
ほら、第4版では「技能チャレンジ」って大事なのに、「シャドウハントの霊廟」には出てこないじゃありませんか。それならば、ここで「技能チャレンジ」をやらせてしまうのもアリかもしれません。