バラード追悼企画


 すでにBBC、ロイターをはじめ、各メディアで紹介がなされているのでご存知の方も多いと思いますが、J・G・バラードが亡くなりました。


 本当は、この場を借りて比類なき洗練を見せた『コカイン・ナイト』について語ろうかと思ったのですが、いまだに自分のなかでバラードについての整理ができていない状態にあります。もう少し考えを深める必要があると感じました。そう思う人は私だけではないはずです。


 そこで、SFセミナーの合宿企画「Speculative Japan読書会」は、部屋長(兼、SFセミナー主催者)の永田弘太郎さんと相談した結果、バラード追悼を兼ねたものにすることとなりましたのでお知らせをいたします。
 永田さんは、アドバイザーとしてご参加下さいます。


 当初からの課題図書『楽園への疾走』を中心に、バラード自身についても射程が広がることとなります。
 例えば『楽園への疾走』には『夢幻会社』や、初期短編から続くモティーフが頻出しますが、それらを語るだけでもバラードという特異な作家の全貌には触れないわけにはいきません。いやむしろ、バラードが何を問題にしていたのか、『楽園への疾走』を皮切りとして一緒に考えていきたいのです。
 ぜひ、合宿企画に参加して、あなたなりのバラードへの想いを語って下さい。


SFセミナー
 http://www.sfseminar.org/

●企画名:「Speculative Japan」読書会


 課題図書:J・G・バラード『楽園への疾走』(創元SF文庫)


 解説:常にSF界の最先端を幻視する「Speculative Japan」が、SFセミナーの合宿で企画を決行! 3月末に創元SF文庫で出たばかりのJ・G・バラードの奇書『楽園への疾走』。訳者の増田まもるを迎え、同作品のダイナミズムを思考する! バラードやスペキュレイティヴ・フィクション一般の話題も可。
 出演(予定):増田まもる 永田弘太郎 仁木稔 夜明ちかし 岡和田晃 (ほか)