『ドール ルクシオン年代記』をご恵贈いただきました。

 高橋桐矢さまから、第9回小松左京賞最終候補作を加筆・単行本化した『ドール ルクシオ年代記』をご恵贈いただきました。ありがとうございます。いちど埋もれた作品が世に出るのは素晴らしいこと! 出版形態も興味深いものがあります。
 前半は「人類滅亡テーマ」の「ドール」。宇宙船という閉鎖空間を舞台にしたハードSF的設定が光る。後半は高斎正作品を思わせる「モーターレースもの」の「レディ」と、毛色の違う2作のカップリングです。共通するのは、特殊素材オリハルニウムや、オリハルニウムが自我を獲得する「レゾナンス」の設定。これがジェンダーSF的な問題意識とリンクしていて面白い。まさか占い師の方が、こんなハードSFを書くなんて(笑)。「SF Prologue Wave」の『エクリプス・フェイズ』小説の読者の方は、きっと楽しめると思います。占い師のマネタイズを赤裸々に描いた、高橋さんの『占い師入門』とセットで読むと、面白いです。

ドール~ルクシオン年代記

ドール~ルクシオン年代記

占い師入門

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