“人文系・コミック・音楽から雑学など、出版系イベントからマニアックな新刊情報まで、「本」にまつわることはなんでも”扱う人気サイト「Book News」で、新刊・共著『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』にあわせたリレー連載「SF・評論入門」が始まっています。
そちらに「SF・評論入門3:「伊藤計劃以後」とハイ・ファンタジーの危機――未来は『十三番目の王子』の先にある!:を寄稿いたしました。
入門記事を意識しているので、記述はとても平易に、参照文献も著名なものに限定しております。ご笑覧ください。
なお、今回は編集サイドの都合もあり、公開後校正を行なっています。2013/7/16 0:30頃に反映された模様ですので、それ以前にご覧の方は、今一度、再読をしていただけたら幸いです*1。
SF・評論入門3:「伊藤計劃以後」とハイ・ファンタジーの危機――未来は『十三番目の王子』の先にある!
http://www.n11books.com/archives/30455265.html
- 作者: 岡田剛
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/05/30
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: 雑誌
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なかでも『屍竜戦記』は、本稿でいう「トランスメディア的な感性」を「ハイ・ファンタジー」の枠組みを利用しながら、ジャンル越境的に繰り広げているので、もう少し批評的に何をやろうとしているのか突き詰められてもよいでしょう(岡和田晃の場合、片理さんの作品については、「SF Prologue Wave」のシェアードワールド小説企画で、何度も論じております)。
- 作者: 片理誠,米田仁士
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2008/07
- メディア: 新書
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「グンドの物語」は“静かの公”グンド・べレドール、つまりユルセルーム世界最大の英雄の一人を中心とした散文です。
本稿ではその生涯が蠱惑的な文体によって読者の前に提示されており、日本の幻想文学、あるいはヒロイック・ファンタジー史における、重要な位置を与えられてしかるべき作品でしょう。とりわけ、ヒロイック・ファンタジーにおける「文体」、そして幻想文学における「相互干渉性(インタラクティヴィティ)」の問題について、思考の材料を提示してくれていると思います。
加えて、トールキンやル=グィンを思わせるいわゆるハイ・ファンタジーをベースにしながらも、日本語による詩歌文学の伝統の味わいもある独得の世界観は新鮮な驚きを提示してくれることと思いますので、RPGをご存じない方もぜひご覧下さい。
・門倉直人「グンドの物語」
http://analoggamestudies.seesaa.net/article/180701887.html
・「【レビュー】門倉直人『シンデレラは、なぜカボチャの馬車に乗ったのか 〜言葉(ことのは)の魔法〜』(付記:SF乱学講座「日本昔話「昔々、あるところでポストヒューマンが……」――その後の日本神話とデジタル物理学から」のお知らせ)」公成文
http://analoggamestudies.seesaa.net/article/222913904.html
・SF乱学講座聴講記 門倉直人、小泉雅也「日本昔話「昔々、あるところでポストヒューマンが……」――その後の日本神話とデジタル物理学から」田島淳(協力:岡和田晃、齋藤路恵、門倉直人、小泉雅也)
http://analoggamestudies.seesaa.net/article/302012017.html
*1:その際、@yk5さんの指摘も参考にさせていただきました。この場を借りて謝意を表します