『世界にあけられた弾痕と、黄昏の原郷 SF・幻想文学・ゲーム論集』が発売になりました。

 すでに「SFセミナー2017」、「第24回文学フリマ東京」で先行発売されましたが、主として2013年から17年の批評を集成した『世界にあけられた弾痕と、黄昏の原郷 SF・幻想文学・ゲーム論集』が発売になりました。山野浩一さんには「多機能型評論集」と名付けていただいたので、積極的に使っていきたいと思います。

 第一評論集『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』の直接の続編ですが、単体でも充分にお愉しみいただけるものと思います。
「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学 (TH Series ADVANCED)

「世界内戦」とわずかな希望〜伊藤計劃・SF・現代文学 (TH Series ADVANCED)



 目次は以下の通りです。2013年以降の原稿は、「SFマガジン」「TH(トーキング・ヘッズ)叢書」、「ナイトランド・クォータリー」に掲載されたものがメインですが、それ以外にも、「新潮」、「すばる」といった文芸誌、北海道大学大学院/ゆまに書房の学術誌「層」、あるいは巽孝之さんの同人誌「科学魔界」、さらには「季刊R・P・G」や「GAME JAPAN」に載った雑誌に掲載された原稿が集まっています。なかには、現在では入手困難な媒体に載ったものや、2007〜08年といった最初期の仕事も含まれますが、そのことによって内容に奥行きが生まれたものと思います。

『「世界内戦」とわずかな希望』や『北の想像力』(編)で、2014年度、最も高く評価されたSF評論家・岡和田晃

2016年には、北海道新聞文学賞に評論としては22年ぶりとなる入賞を果たした。

その岡和田が2013年から2017年までに発表した多量の批評等をこの1冊に集成!

現代SFと幻想文学を重点的に攻めながら、両者を往還する想像力として、ロールプレイングゲームをも論じる岡和田晃

ソリッドな理論と綿密な調査、クリエイターの視点をもあわせもち、前著を上回る刺激に満ちた一冊!!

目次


序文


●第1部 現代SFとポストヒューマニズム


文学の特異点──ポストヒューマニズムの前史のために
「世界内戦」下、「伊藤計劃以後」のSFに何ができるか──仁木稔樺山三英、宮内悠介、岡田剛長谷敏司、八杉将司、山野浩一を貫く軸
書評「トーマス・M・ディッシュ『プリズナー』」
書評「カート・ヴォネガット『母なる夜』」
書評「ジャック・ウォマック『ヒーザーン』『テラプレーン』」
書評「山野浩一『鳥はいまどこを飛ぶか』」
書評「荒巻義雄『白壁の文字は夕陽に映える』」
思弁小説の新しい体系──『定本荒巻義雄メタSF全集』完結によせて
「世界にあけられた弾痕」にふれて──『定本荒巻義雄メタSF全集 別巻』月報解説
SF・文学・現代思想を横断し「脱領土化」する平滑的な比較精神史──藤元登四郎『物語る脳』の世界」解説
現代SFを楽しむためのキーポイント:シンギュラリティ
現代SFを楽しむためのキーポイント:ナノテクノロジー
SFの伝統に接続される、現代社会の諸問題──伊藤計劃読者のためのノンフィクションガイド10
書評「C・M・コーンブルース『クリスマス・イヴ』」
空間秩序と、上田早夕里『深紅の碑文』──悪夢を想像する力
自らの示すべき場所を心得た世界文学、〈科学批判学〉SFの傑作集──仁木稔『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』解説
ハードSFのポエジー──円城塔『シャッフル航法』書評
現代文学とSFの限界超える──円城塔『エピローグ』書評
実演される生成論──円城塔『プロローグ』書評
アルス・コンビナトリアの復活──荒俣宏松岡正剛『月と幻想科学』解説
トランスヒューマン時代の太陽系──『エクリプス・フェイズ』とシェアードワールド
トランプ大統領以後の世界、「手のつけられない崩壊の旋風」を描くゲーム──『ドン・キホーテの消息』とGenocidal Organが直視したもの
ベストSF2011 国内編・海外編
ベストSF2012 国内編・海外編
ベストSF2013 国内編・海外編
ベストSF2014 国内編・海外編
ベストSF2015 国内編・海外編
ベストSF2016 国内編・海外編
2016年下半期「図書新聞」読書アンケート回答


●第2部 ロールプレイングゲームという媒介項(メディア)

ドラゴンが、やってきた。――『ダンジョンズ&ドラゴンズ 竜の書:ドラコノミコン』紹介文
レビュー『トラベラー』
レビュー『ストームブリンガー
レビュー『クトゥルフ神話TRPG
レビュー『クトゥルフ・ダークエイジ』
「世界内戦」を描いたゲームリスト10
映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作が切り捨てたもの──『指輪物語』における?昏さ?の意義について
書評「野田昌宏編〈スペース・オペラ名作選〉」
書評「アルフレッド・ベスター『破壊された男』」
書評「アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』」
若き『トラベラー』のための航海図
〈地図〉を手に、〈地図〉の彼方へ
忘れたという、その空白の隙間で──門倉直人『ザ・ワンダー・ローズ・トゥ・ロード』の構造
ゲームとミステリ──二〇一二年と二〇一三年
イロニーとしてのシェアード・ワールド――『闇のトラペゾヘドロン』×『クトゥルフ神話TRPG
サイバーパンククトゥルフパンク──その理論的枠組みについて
ゴシックパンクとクトゥルフパンク──コンフォーミズムから脱するために
書評「チャイナ・ミエヴィル『ジェイクをさがして』」
スチームパンクと崩壊感覚、歴史への批評意識としての「パンク」
書評「サム・マーウィン・ジュニア『多元宇宙の家』」
書評「キース・ロバーツ『パヴァーヌ』」
書評「マイクル・ムアコック『グローリアーナ』」
書評「佐藤亜紀『1809 ナポレオン暗殺』」
書評「フォルカー・デース『ジュール・ヴェルヌ伝』」
書評「ウィリアム・ギブスンブルース・スターリングディファレンス・エンジン』」
書評「マイクル・ムアコック〈永遠の戦士フォン・ベック〉」
死と隣り合わせの世界で、「感情と意志の交錯」を追体験──『ストームブリンガー』第二版と、伏見健二「紫水晶と鮮血」
世界劇場と吸血鬼ジュヌヴィエーヴ──いま、ジャック・ヨーヴィルドラッケンフェルズ』を読み直す
ヴァンパイアの情念、理性への叛逆──カーミラとジュヌヴィエーヴ、神話的思考とリアリズム
ケルトの幻像と、破滅的リアリズム──フィオナ・マクラウドRPGから、ロバート・E・ハワードの?昏さ?を捉える
書評「ブルース・スターリング編『ミラーシェード』」
レビュー『ゴーストハンター13 Expantion2 ディアブロ・ドゥ・ラプラス
書評「奥谷道草『オモシロはみだし台湾さんぽ』」
書評「安田均監修『ブラックミステリーズ』」
レビュー『ウォーハンマー・コンパニオン』
レビュー『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2015』
レビュー『トンネルズ&トロールズ ソロ・アドベンチャー サイドショー
レビュー『ゾンビタワー3D』
書評「サム・チャップ、アンドリュー・グリーンバーグ『ノド書』」
ダンジョン飯』から広がるディープなファンタジーゲームの世界
書評「中川大地『現代ゲーム全史』」


●第3部 幻想・怪奇・異端の文学


パスカルキニャール──作家と作品
レビュー「フェデリコ・フェリーニ監督『道』」
「幻に殉ずる」姿勢──高原英理『不機嫌な姫とブルックナー団』
現代「伝奇ミステリ」論──『火刑法廷』から〈刀城言耶〉シリーズまで
書評「二階堂黎人人狼城の恐怖』」
書評「さとうふみや他『金田一少年の事件簿』」
書評「京極夏彦鉄鼠の檻』」
人工知能と「存在の環」──浦賀和宏『頭蓋骨の中の楽園』解説
新たな時代の〈ロゴスコード〉を求めて──川上亮人狼ゲーム BEAST SIDE』解説
黄昏詩華館に集いし者たち──藤原月彦、北村秋子、吉川良太郎
書評「生田耕作ほか『「芸術」なぜ悪い──「バイロス画集事件」顛末記録』」
書評「作者不詳『女哲学者テレーズ』」
書評「作者不詳『ペピの体験』」
書評「ギョーム・アポリネール『一万一千本の鞭』」
書評「ミシェル・ビュトールポール・デルヴォーの絵の中の物語』」
書評「デヴィッド・マドセン『グノーシスの薔薇』」
書評「アラン・ロブ=グリエ『快楽の漸進的横滑り』」
伊藤整『幽鬼の街』とその原罪
書評「C・M・ケリー『パンドラの少女』」
書評「戌井昭人「ゼンマイ」」
書評「レインボー祐太『サイドショー映画の世界』」
H・P・ラヴクラフトと煉獄の徴候──レ・ファニュ、ストーカー、アイリッシュ・ヴァンパイア
ウィリアム・ホープ・ホジスン──作家と作品、受容史について
ウィリアム・ホープ・ホジスンと思弁的実在論──境界としての〈ウィアード〉
アリス&クロード・アスキューと思弁的実在論────《幽霊狩人カーナッキ》の系譜から逸脱、パラノーマルなオカルト探偵
〈奇妙な味〉の構成原理
詩とRPG──クラーク・アシュトン・スミスを再評価する二つのアプローチ
オーガスト・ダーレスアメリカン・ノスタルジア──心地よく秘密めいた「淋しい場所」
あとがき

●本書で取り上げられている作家・著者・作品リスト(主な登場順)


ヴァーナー・ヴィンジ/フリードリヒ・シラー/ポール・ド・マンカール・シュミットジャック・デリダ池田雄一アラン・ロブ=グリエブライアン・オールディスフレドリック・ブラウン桂令夫/トーマス・ベルンハルト/ウィリアム・ギブスンロバート・J・ソウヤー笙野頼子/ゲイリー・ガイギャックス/竹田青嗣ジャン=リュック・ナンシー伊藤計劃仁木稔樺山三英/宮内悠介/岡田剛長谷敏司/八杉将司/山野浩一/清水知子/スーザン・バック=モース/笠井潔白井聡/フィリップ・セイビン/田島淳/トマス・M・ディッシュカート・ヴォネガットジャック・ウォマック荒巻義雄藤元登四郎ジル・ドゥルーズ/フェリックス・ガタリ/タヤンディエー・ドゥニ/C・M・コーンブルース/上田早夕里/ピーター・P・パーラ/A・K・ル=グウィン円城塔荒俣宏松岡正剛/ケン・リュウ/『エクリプス・フェイズ』/ブルース・スターリング井上明人/『ドナルド・トランプゲーム』/ニック・ランド/『ダンジョンズ&ドラゴンズ』/『ウォーハンマーRPG』/佐藤哲也/ヤスミナ・カドラ/ヴィクトル・ペレーヴィン/J・R・R・トールキンピーター・ジャクソン野田昌宏アルフレッド・ベスター/『トラベラー』/『ストームブリンガー』/『クトゥルフ神話TRPG』/『ローズ・トゥ・ロード』/門倉直人/ジャンニ・ロダーリ/フリードリヒ・シュレーゲル三津田信三京極夏彦小松和彦/松本寛大/倉数茂/川上亮秋口ぎぐる)/フーゴ・ハル(奥谷晴彦)/『汝は人狼なりや?』/高木彬光間瀬純子/図子慧/立原透耶/林譲治積木鏡介倉阪鬼一郎/『ガープスクトゥルフパンク』/巽孝之小谷真理/チャイナ・ミエヴィル/タオ・リン/『ファイナルファンタジー?』/蓮實重彦/エリック・ホブズボーム/『キャッスル・ファルケンシュタイン』/サム・マーウィン・ジュニア/キース・ロバーツ/マイクル・ムアコック佐藤亜紀/フォルカー・デース/伏見健二/『ハーンマスター』/片理誠/ジャック・ヨーヴィル/J・S・レ=ファニュ/フィオナ・マクラウド/パトリック・ゲッデス/ロバート・E・ハワード/『ゴーストハンター13』/安田均/『トンネルズ&トロールズ』/『ゾンビタワー3D』/『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』/『ダンジョン飯』/『現代ゲーム全史』/パスカルキニャールフェデリコ・フェリーニ高原英理/ジョン・ディクスン・カーウンベルト・エーコ二階堂黎人/小泉迦十/道尾秀介殊能将之/『TRICK』/大村友貴美/麻耶雄嵩/小島正樹/増田まもる/『金田一少年の事件簿』/浦賀和宏/三宅陽一郎/藤原月彦/北村秋子/吉川良太郎生田耕作/『ペピの体験』/『女哲学者テレーズ』/ギョーム・アポリネールミシェル・ビュトール/デヴィッド・マドセン/伊藤整ジェイムズ・ジョイス/C・M・ケリー/戌井昭人/レインボー祐太/ハワード・フィリップス・ラヴクラフト/ブラム・ストーカー/ウィリアム・ホープ・ホジスン/カンタン・メイヤスー/アリス&クロード・アスキュー/ツヴェタン・トドロフクラーク・アシュトン・スミス吉行淳之介/サキ/オーガスト・ダーレスレイ・ブラッドベリピーター・S・ビーグルほか