浦賀和宏『頭蓋骨の中の楽園』の解説を書きました。

 刊行から15年を経て文庫化された浦賀和宏『頭蓋骨の中の楽園』(上下巻)の解説を担当させていただきました。講談社文庫。装丁が素晴らしい。同著者の『記憶の果て』および『時の鳥籠』とあわせて読むと、いっそう愉しめます。これら前二作との関係性にも言及しつつ、解説では読解のためのアイデアを提供しています。複雑極まりない仕掛けを解きほぐすヒントが欲しければ、私の解説をご活用くださいませ。「ネタバレ注意」以前の部分は、人物一覧としても使えるようにしていますから!
 なお、解説の具体的な文脈としては、藤子・F・不二雄伊藤計劃等のSF的文脈、「考える人」2013年8月号の三宅陽一郎さんのインタビュー「人工知能は数学を理解できるのか」等のAI研究、エドワード・サイードの批評理論等を援用し、問題作『頭蓋骨の中の楽園』読解のヒントを提示するというものです。