2月19日発売の荒俣宏&松岡正剛『月と幻想科学』(立東舎文庫)に解説を寄せました。

 2月19日に荒俣宏&松岡正剛『月と幻想科学』が新レーベル、立東舎文庫で復刊します。1979年、工作舎のプラネタリーブックスで出ていたものが復刊するのですよ! こちらに解説「アルス・コンビナトリアの復活」を寄稿いたしました。本書を愉しむための予備知識をご提供します。この解説のために「遊」のバックナンバーや、荒俣宏さん、松岡正剛さんの初期のお仕事、さらには『工作舎物語』を確認しましたが、至福でしたね。70年代の工作舎NW-SF社、北海道の創映出版と辿ることで、時代と共振した先鋭的な表現のあり方を探れないかというのが、いま抱えているテーマの一つです。
 なお、大事なことなので書きますが、この解説は私なりのデヴィッド・ボウイ追悼を兼ねています。

稀代の碩学2人が語った月にまつわる文学、科学、神秘主義、そしてタルホ


「たぶん月は、われわれが“等身大”に思考できる対象のうちで最高のものじゃないでしょうか?」。ギラギラの太陽ではなくあえて冷え冷えの月をテーマとして、若き日のアラマタ、セイゴオ両氏が古今東西の作品やエピソードを語り尽くす。ホフマン、ノヴァーリス、サミュエル・パーマー、ユング、ラフォルグ、マクスウェルの悪魔、フランソワ・ジャコブ、イエイツ、フランシス・ジャム、ジョン・キーツ、宮本正太郎、コールリジ、ジャック・スミス、ディドロジョージ・バークリー、宮沢賢治萩原朔太郎、トマス・モア、アリスター・クラウリ、ヴェルヌらを介して語られる、まさにルナティックな世界。


月と幻想科学 (立東舎文庫)

月と幻想科学 (立東舎文庫)


 同時復刊の『稲垣足穂さん』と。
稲垣足穂さん (立東舎文庫)

稲垣足穂さん (立東舎文庫)