湯島サロン「石牟礼道子から水俣を考える」のご案内

 以前、『パラノイア:ハイプログラマーズ』を出張でGMした際にご一緒し、『アイヌ民族否定論に抗する』や『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』の感想も書いてくださった佐藤修さんのご厚意で、佐藤さんが主催あれる湯島のサロンスペース「コンセプト・ワークショップ」にて、以下のような企画を行うことになりました。私が書いた石牟礼道子論をベースに、水俣病や文学、社会と政治の問題について話し合うというものです。会場費だけでご参加できますので、どうぞお越しください。

石牟礼道子 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

石牟礼道子 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

 

 
■湯島サロン「石牟礼道子から水俣を考える」のご案内(文:佐藤修

水俣を語る石牟礼道子さんは今もなおテレビや書籍で話題になっていますが、水俣病そのものは次第に忘れられつつあります。
水俣病が社会に問題提起したメッセージは、実に多岐にわたるのですが、それがしっかりと受け止められているとは思えません。
石牟礼道子さんが亡くなって「殿堂入り」した反面、石牟礼道子さんが問題にした水俣病そのものは切り分けられ、過去の遺物として忘れられようとしています。
私自身も、そういう流れに引き込まれそうになっていました。
それを気づかせてくれたのが、文芸評論家の岡和田晃さんです。
そこで岡和田さんに頼んでサロンを開くことにしました。

岡和田さんは多方面で活動している若い文芸評論家です。
https://akiraokawada.hatenablog.com/about
私が「文芸評論」ということを少し理解できたのは、岡和田さんの著書「反ヘイト・反新自由主義の批評精神」を読ませてもらったおかげです。

岡和田さんは、水俣に深く関わってきたわけではなく、あくまでも文学を通じて思考の対象としてきたようです。
岡和田さんにサロンを頼むなら、アイヌの問題かSFかゲームかだと思っていましたが、岡和田さんが最近、河出書房新社版ムック『石牟礼道子 さよなら不知火海の言霊』に寄稿した石牟礼道子論(「石牟礼道子という表現運動(ドキュメント)」)を読ませてもらって、岡和田さんに水俣を話してもらいたくなりました。
現代という社会の中で、水俣を考えさせてもらえそうだからです。
あるいは、水俣を超えて、水俣病が顕在化した今の社会のありよう、さらには、政治や文学の話にまで広がるかもしれません。
言葉を専門とする岡和田さんの石牟礼道子論にも興味があります。
そこで、ぶしつけにお願いしたところ、引き受けてもらえました。

どんな話が展開されるか楽しみのサロンです。
このところ湯島のサロンでも2回ほど、水俣が話題に出ましたが、改めて水俣を思い出したい人、あるいは新たに水俣を知りたい人は、ぜひご参加ください。
いつもよりちょっと長いお話を岡和田さんにはしてもらおうと思います。

なお、できれば、河出書房新社の『石牟礼道子 さよなら不知火海の言魂』をあらかじめお読みください。岡和田さんの論考以外にも興味あるものが多いです。
参加ご希望の方は、事前にご連絡ください。

〇日時:2019年6月22日(土曜日)午後1時半~午後4時
〇場所:湯島コンセプトワークショップ
http://cws.c.ooco.jp/cws-map.pdf
○テーマ:「石牟礼道子から水俣を考える」
○問題提起者:岡和田晃さん(文芸評論家)
〇参加費:500円
〇申込先:佐藤修(qzy00757@nifty.com)