「現代詩手帖」2019年12月号は年鑑の号で、作品では『掠れた曙光』より「これはプロレタリア詩だ!」の抄録と、評論「現代詩よ、大いに遊べ!」が掲載されています。批評は、あえて2019年の日本の詩集・詩誌(not翻訳)に絞り、閉塞を回避する道筋を模索するもの。
『掠れた曙光』は、現在の詩壇で支配的なスタイル(大雑把に言うと、フレンチ・セオリーの変奏のような書き方)とは異なる書法を、あれこれ追究しました。とりわけ「これはプロレタリア詩だ!」は、KY全開とも言うべき作品です。なのにアンケートで言及して下さる方々もいて、ありがたく存じます。
そうそう、もう1つは新自由主義的ライトヴァースと「抒情」の拒否、です。わざわざ「抒情」と「韻律」への「憎しみ」を表明しているから、そこはおわかりですよね。
なお、「これはプロレタリア詩だ!」の抄録は、初版とも二版とも、文面が微妙に異なる形となっております。抄録ゆえに「その後の続き」を意識したヴァージョンになりました。ご興味ある方は、ぜひとも読み比べてみてください。