「ナイトランド・クォータリーvol.23 怪談 (KWAIDAN)―Visions of the Supernatural」が、 2020/12/8ごろ発売されます。
定期購読者には、特典ペーパー「ナイトランド・クォータリー・タイムス(ナイトランド航海録)」も付いてきます。
以下、アトリエサードの公式サイトより。
幻視者のためのホラー&ダーク・ファンタジー専門誌《ナイトランド・クォータリー》。
vol.23も増ページ特大号!
特集は「怪談【KWAIDAN】」。
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を結節点に、怪談文学の系譜を再評価します!
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小泉八雲の妖怪文化への関心は、乳母から妖精譚や怪談話を聞いたアイルランドでの少年時代に遡ると言います。
超自然的なものへの視線を言葉にするなかで、なぜ日本とアイルランドをつなぐ怪奇にまつわる文学の系譜は生まれたのか。
この黎明期におけるヴィジョンを再評価していくなかで、その中心には片山廣子(松村みね子)のような女性の感性があったことに気がつかされました。
これは男性中心に語られてきた怪談文学のあり方そのものを見直そうという試みです。
――巻頭言「Visions of the Supernatural」(いわためぐみ)より
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小説は、ラフカディオ・ハーン、フィオナ・マクラウド、カール・ハンス・シュトローブル、レアード・バロン、山田一夫、高原英理、高橋桐矢、徳岡正肇など14編。
また、鍛治靖子インタビュー、斉藤大地インタビューの他、
井村君江の新連載「覚えておいて欲しいこと」をはじめ、
エッセイ、ブックガイドなども読み応えたっぷりです!
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■主な内容
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【Story】
■ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)「十六櫻」/訳:富ノ澤麟太郎
■フィオナ・マクラウド「琴」/訳:松村みね子
■グレゴリー夫人「愛蘭民謡──Translations By Lady Gregory」/訳:松村みね子
■ウィリアム・バトラー・イェイツ「ハンラハンの幻視」/訳:下楠昌哉
■P・R・オリアリー「ハワード家のしきたり」/訳:鍛治靖子
■アンジェラ・スラッター「古樫荘」/訳:徳岡正肇
■カール・ハンス・シュトローブル「絞首台の救い主──あるスペインの物語──」/訳:垂野創一郎
■エレナー・スコット「ランドールの円形舞踏」/訳:渡辺健一郎
■レアード・バロン「腐肉喰らいの神の楽園」/訳:待兼音二郎
■ピーター・M・ボール「ファイブ・スターの幽霊」/訳:徳岡正肇
■山田一夫「夢を孕む女」
■高原英理「精霊語彙集」
■高橋桐矢「罪」
■徳岡正肇「何もしていないのに」
【Interview】
■鍛治靖子インタビュー「手間を厭わず世界の雰囲気を演出する「表現」としての翻訳」/聞き手=岡和田晃・岩田恵/構成=岡和田晃
■斉藤大地インタビュー「フリー・ホラーゲームの世界――「ホラー」が下げた敷居」/聞き手=徳岡正肇
【Essay】
■Visions of the Supernatural/いわためぐみ
■美貌と艶めかしさで惑わす妖怪――九鬼匡規/沙月樹京
■悲しき異類婚姻譚『怪談雪女郎』──田中徳三監督の思い出より/浅尾典彦(夢人塔)
■江戸怪談、もしくは八雲が出会った異郷の妖精譚/深泰勉
■山田一夫と片山廣子について/小野塚力
■イングランドのケルト的怪談を求めて/深泰勉
■吸血鬼は両脚で時代を跳躍する夢を見たか/徳岡正肇
■「怪談」というウイルスVS神智学という文化外交 ――片山廣子(松村みね子)を中心に/岡和田晃
■ケネス・モリスとバッハ的宇宙の幻影/中野善夫
■音の聴こえない文字、姿の見えない音楽──浪漫主義前後の「恐しき音楽」随想/白沢達生
■“信頼できない語り手”が物語に投げかける陰翳の深み/待兼音二郎
■富ノ澤麟太郎はなぜ小泉八雲を翻訳したのか/片倉直弥
【Serial】
■〈覚えておいて欲しいこと〉第一回 松村みね子と片山廣子/井村君江
■〈アンソロジーに花束を〉第六回 マルチアンソロジスト/安田均
【Book guide】/岡和田晃
■「怪談」翻訳の伏流──片山廣子・大関花子・渡部桜
■「異教」や「異類」との習合が「怪談」を育む ――未訳アンソロジー『黒い鶴』(アルマ・カツ序文)を中心に
■表紙/九鬼匡規《絡新婦(じょろうぐも)》