僭越ながら私が編集長をしております、「ナイトランド・クォータリーvol.30 暗黒のメルヘン〜闇が語るもの」が、2022/9/9頃に発売となりました。
今回も強力ラインナップでお届けいたします。
幻視者のためのホラー&ダーク・ファンタジー専門誌《ナイトランド・クォータリー》。
vol.30の特集は「暗黒のメルヘン〜闇が語るもの」。
メルヘンはリアリズムの制約に縛られず、
必ずしも教訓に還元されない自由な感覚を持ちながらも、
読み手の内奥に直接訴えかけるものを持つ。
メルヘン研究家のカール=ハインツ・マレは、
メルヘンが世界中で絶えることなく生きつづけ、愛されている理由を、
その「暗い側面」にあると分析している。
そうしたメルヘン的な闇に彩られた物語を特集。
あなたの心の内奥に語りかけてくる物語たちです!
小説は、
ウンゲルン=シュテルンベルク、マイクル・ムアコック、トッド・ロビンズ、S・チョウイー・ルウ、トマス・バーネット・スワン、トマス・M・ディッシュ、カリーナ・ビセット、最合のぼる、石神茉莉、小林弘利
他に、金原瑞人インタビューなど、コラム記事等も満載です!
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■主な内容
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【Story】
■アレクサンダー・フォン・ウンゲルン=シュテルンベルク「六粒のさくらんぼ」/訳:垂野創一郎
■トッド・ロビンズ「残酷な拍車」/訳:待兼音二郎
■トマス・バーネット・スワン「ドライアドの棲む樹」/訳:岡和田晃
■トマス・M・ディッシュ「新しい頭で楽しもう」/訳:菅原慎矢
■S・チョウイー・ルウ「愛に似たなにか」/訳:勝山海百合
■カリーナ・ビセット「蛇と蛙」/訳:徳岡正肇
■マイクル・ムアコック「白牙の肖像」/訳:健部伸明
■小林弘利「ひびき」
■石神茉莉「It is only make-believe」
■最合のぼる「退屈な王女様」
【Interview】
■金原瑞人インタビュー「飾らないスタイルで翻訳書の妙味を伝える」聞き手:岡和田晃・岩田恵・深泰勉/構成=岡和田晃
【Color】
■甘美な悪夢へといざなう暗黒のメルヘン/沙月樹京
■『LAMB/ラム』現代アイスランドが生んだ驚異の神話/深泰勉
■怪物たちが彷徨う夢と、暗い未来。――短編シリーズ『ラブ、デス&ロボット』/丸屋九兵衛
■時空を超えたシスターフッド──セリーヌ・シアマ監督『秘密の森の、その向こう』とフィリパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』/岡和田晃
■豪華スタッフが贈る、新・いばら姫「十三月のふたり姫/The 13th month」/徳岡正肇
【Essay】
■怪奇幻想文学としての暗黒メルヘン/岡和田晃
■メルヒェンと民話蒐集の向こう側にあるもの/深泰勉
■ダークメルヘン・心の扉を開けて/浅尾典彦
■ラヴクラフトとBLM/エイヴリ・モロー
■SNSをザワつかせる暗黒癒し系漫画たち/徳岡正肇
■『コララインとボタンの魔女』の〈もう一人の母〉/エスカンド・ジェシ
■日本児童文学と暗黒性/後藤耕
【Game】
■ 神の代理羊よ、異端を屠り地上に楽園を作れ──『Cult of the Lamb』に見る現代インディゲーム/徳岡正肇
【Serial】
■覚えておいて欲しいこと……第七回 「盗まれた子供」について/井村君江
■〈アンソロジーに花束を〉第十二回 ホラーのベスト100アンソロジー/安田均
【Book guide】/岡和田晃
■金原瑞人印の短編集──『八月の暑さのなかで』と『壊れやすいもの』
■多層的な複合体としてのアンチ・メルヘンへ──『昔話と文学』
■兎穴や鮫の胃という異界からの呼びかけ──『偽のプリンセスと糸車の呪い』、『呑み込まれた男』、『陽だまりの果て』
■表紙/たま《The gate was opened》
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