1月27日の「南日本新聞」、同28日の「伊勢新聞」に、陣野俊史『泥海』書評の掲載が確認できました。「「事件」の痛み探る試み」と、題されています。共同通信に寄稿したものですね。
2月15日(金)15:00~17:00、椙山女学園大学にて、作家のさかき漣さん、翻訳家の大野典宏さん、コーディネートはアメリカ文学者の長澤唯史さん……という面々に混じり、「SFから現代社会を考える」というパネルイベントに出演します。弱者を蹂躙するジャンル「ではない」SFのあり方を模索します。
会場は、椙山女学園大学星ヶ丘キャンパス国際コミュニケーション学部棟205教室、入場無料・予約不要です。ワークショップ形式ですので、ご参加の方からの発言も歓迎いたします。
「SFから現代社会を考える」
椙山女学園大学で、上記のワークショップを開催いたします。
日時:2019年2月15日(金)15:00-17:00
会場:椙山女学園大学星ヶ丘キャンパス 国際コミュニケーション学部棟205教室講師:
さかき漣(小説家・コラムニスト)
岡和田晃(文芸評論家・ゲームデザイナー)
大野典宏(翻訳家・ライター)
司会: 長澤唯史(本学部教授)本ワークショップは、SF や幻想文学を、空想的で現実離れした表現という固定観念から 解き放ち、ジェンダーやセクシュアリティ、社会的弱者の抑圧や差別など、さまざまな現代の問題と接続されたアクチュアルなジャンルとして考える試みです。
小説家のさかき漣さん、批評家の岡和田晃さん、そして翻訳家/ライターの大野典宏さんをパネリストにお迎えし、それぞれの立場から SF というジャンルの可能性について考察していただきます。
フロアのみなさんも一緒に、SFの可能性を探っていきましょう。
入場無料、予約不要です。たくさんの皆さんのご参加をお待ちしております。
今回のワークショップでは基礎文献として、上田早夕里さんの『破滅の王』とさかき漣さんの『エクサスケールの少女』を採り上げる予定です。もちろんパネリストからの内容紹介がありますので、参加者の方は事前に読んでなくてもOKです。
『SFが読みたい! 2019年版』(早川書房)に、ベストSF2018の国内編・海外編アンケートと、岡和田晃の仕事の予定を記した「2019年のわたし」を寄稿しています。ご笑覧ください。
「サブジャンル別ベスト10&総括」で、長山靖生さんが、『反ヘイト・反新自由主義の批評精神』を6位に入れて下さり、「要点ごとにSF的想像力が光る」とのコメント。また、国内編に投票して下さった皆さんにつきましても、本当にありがとうございました。
今回の国内編では、山尾悠子『飛ぶ孔雀』と上田早夕里『破滅の王』に入れようか迷ったものの、あえて外しています。「図書新聞」の拙稿で高く評価していたのですが、SF賞を出自とする作家たちが、既存のSF文壇の「外」で「も」評価される文脈の構築に注力すべきと考えたからです。
逆に、樺山三英「団地妻B」のように、SF文壇の「外」で発表されたため、SF文壇では、ほぼ存在を認知されていなかった作品を、あえて引き戻すような形でアンケート票を投じることもしています。このあたりの判断、いつもギリギリまで迷います。それとは別に、「現代詩手帖」のSF詩特集のような試みがまた必要。
もっとも、待兼音二郎さんが「TH」で「団地妻B」について書いてらしたような例もありますが……。
本日発売の「図書新聞」2019年2月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第四八回 「言語」は死なず、「文学」もまた死なない」を書きました。本時評も四年目の終わりを迎えますが、不意に事件が起こったので、そのことから本文に入っています。それは……。
新たに活発化してきた「アイヌ」に対するヘイト街宣、その呼び水となった、小林よしのりの新たなアイヌ否定漫画などを正面から批判しているのです。
大問題だと思いますが、メディアがきちんと取り上げた痕跡がないので、自分で書いたという次第です。そのうえで、以下の作品に触れています。
・藤井貞和「渚に立つ人清田、沖縄」(「現代詩手帖」二〇一八年十二月号)および、清田政信『渚に立つ』(共和国)
・古谷経衡「「特権デマ」は他のマイノリティへ」(「現代ビジネス」)
・丹菊逸治「Aynu itak amososo kuni asir rir〔アイヌ語復興の新しい流れ〕(「ことばと社会」)
・黒田夏子「山もどき」(「文學界」)
・柴田千晶「別海」(「現代詩手帖」二〇一八年十一月号)
・岸川真「ススト」(「文藝」)
・青木淳悟「憧れの世界」(「文學界」)
・円城塔「わたしたちのてばなしたもの」(「群像」)
・赤井浩太「日本語ラップfeat.平岡正明」(すばるクリティーク賞受賞作)
・浜崎洋介×坂口周×梶尾文武「文芸批評と文学研究、そのあいまいな関係をめぐって」(「文学+」)
・書誌「文芸批評×文学研究 2000-2004」(「文学+」)
・大岡昇平『小林秀雄』(中公文庫)および、山城むつみの解説「アランを補助線として」
・梶尾文武「大江健三郎ノート 第1回・第1章 一九五四年の転向」(「文学+」)
・清末浩平「唐十郎論――肉体の設定」(「文学+」)
・倉数茂「〈水〉の変貌――永井荷風『すみだ川』、『狐』」(「文学+」)
・田中弥生「乖離する私―中村文則―」(「小説トリッパー」)
・イルメラ・日地谷=キルシュネライト編『〈女流〉放談 昭和を生きた女性作家たち』(岩波書店)
・笙野頼子「山よ動け女よ死ぬな千里馬よ走れ」(「民主文学」)
・高原英理「ガール・ミーツ・シブサワ」(『エイリア綺譚集』、国書刊行会)
その他、ロバート・クーヴァー『ユニバーサル野球協会』、中島岳志による森崎和江へのインタビュー『日本断層論 社会の矛盾を生きるために』、笙野頼子「返信を、待っていた」などにも言及しています。
「Role&Roll」Vol.172に『エクリプス・フェイズ』の入門シナリオ&運用ガイド「宇宙アリーナ:血肉の美食」が掲載されています。
メインライターは待兼音二郎さん、監修は朱鷺田祐介さんと岡和田晃です。
本作は、闘技と美食をテーマに、SFホラーのなかでもスプラッタ要素を含むブラックユーモアに挑戦しています。手軽に深い話ができますが、卓の同意を元にプレイして下さい。
SFの伝統から言いますと、「カンビュセスの籤」、サキやロアルド・ダールらの「奇妙な味」、K・W・ジーターの『ドクター・アダー』、『エクリプス・フェイズ』の未訳シェアードワールド小説「Prix Fixie」の系譜に連なると言えるでしょう。直接のイメージソースの映画『アリーナ』となります。
「Role&Roll」Vol.172に『エクリプス・フェイズ』の入門シナリオ&運用ガイド「宇宙アリーナ:血肉の美食」が掲載されています。本作は、闘技と美食をテーマに、SFホラーのなかでもスプラッタ要素を含むブラックユーモアに挑戦しています。手軽に深い話ができますが、卓の同意を元にプレイして下さい。 pic.twitter.com/jDcR9zFGaK
— 岡和田晃_『骨踊り 向井豊昭小説選』 (@orionaveugle) 2019年2月6日