「図書新聞」2019年2月16日号に「〈世界内戦〉下の文芸時評 第四八回 「言語」は死なず、「文学」もまた死なない」を寄稿

 本日発売の「図書新聞」2019年2月16日号に、「〈世界内戦〉下の文芸時評 第四八回 「言語」は死なず、「文学」もまた死なない」を書きました。本時評も四年目の終わりを迎えますが、不意に事件が起こったので、そのことから本文に入っています。それは……。
 新たに活発化してきた「アイヌ」に対するヘイト街宣、その呼び水となった、小林よしのりの新たなアイヌ否定漫画などを正面から批判しているのです。
 大問題だと思いますが、メディアがきちんと取り上げた痕跡がないので、自分で書いたという次第です。そのうえで、以下の作品に触れています。

藤井貞和「渚に立つ人清田、沖縄」(「現代詩手帖」二〇一八年十二月号)および、清田政信『渚に立つ』(共和国)

・古谷経衡「「特権デマ」は他のマイノリティへ」(「現代ビジネス」)
・丹菊逸治「Aynu itak amososo kuni asir rir〔アイヌ語復興の新しい流れ〕(「ことばと社会」)
黒田夏子「山もどき」(「文學界」)
・柴田千晶「別海」(「現代詩手帖」二〇一八年十一月号)
岸川真「ススト」(「文藝」)
青木淳悟「憧れの世界」(「文學界」)
円城塔「わたしたちのてばなしたもの」(「群像」)
・赤井浩太「日本語ラップfeat.平岡正明」(すばるクリティーク賞受賞作)
浜崎洋介×坂口周×梶尾文武「文芸批評と文学研究、そのあいまいな関係をめぐって」(「文学+」)
・書誌「文芸批評×文学研究 2000-2004」(「文学+」)
大岡昇平小林秀雄』(中公文庫)および、山城むつみの解説「アランを補助線として」
・梶尾文武「大江健三郎ノート 第1回・第1章 一九五四年の転向」(「文学+」)
・清末浩平「唐十郎論――肉体の設定」(「文学+」)
・倉数茂「〈水〉の変貌――永井荷風『すみだ川』、『狐』」(「文学+」)
田中弥生「乖離する私―中村文則―」(「小説トリッパー」)
・イルメラ・日地谷=キルシュネライト編『〈女流〉放談 昭和を生きた女性作家たち』(岩波書店
笙野頼子「山よ動け女よ死ぬな千里馬よ走れ」(「民主文学」)
高原英理「ガール・ミーツ・シブサワ」(『エイリア綺譚集』、国書刊行会

 その他、ロバート・クーヴァー『ユニバーサル野球協会』、中島岳志による森崎和江へのインタビュー『日本断層論 社会の矛盾を生きるために』、笙野頼子「返信を、待っていた」などにも言及しています。