バロン・ミュンヒハウゼンってご存知でしょうか。
ドイツの民話の登場人物で、日本では、ほら吹き男爵の名前で知られてます。日本昔話で言う、吉良六(きっちょむ)さんみたいなものですな。
テリー・ギリアムの映画『バロン』(最高です)の原題は、 「ミュンヒハウゼン男爵の大冒険」でした。
カー二バルな感じがよく出ていて、テリー・ギリアムならではの妄想の強度が、うまい具合に働いたのではないかと思います。独特の泥臭さと、浮遊感のアンバランスさがたまりません。大好きな映画です。
バロン デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2008/06/25
- メディア: DVD
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さて、このミュンヒハウゼン男爵の「手になる」RPGが、いよいよアメリカのMongoose社より発売になります。
このMongooseという会社は、現在(ムアコックの)『ホークムーン』のRPG版や、『ルーンクエスト』の最新版を出しているところです。
Michael Moorcock's Hawkmoon: The Roleplaying Game (Runequest RPG)
- 作者: Gareth Hanrahan,Richard Ford
- 出版社/メーカー: Mongoose Pub
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: ハードカバー
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海外RPGは一般的に、リサーチに割く労力が半端ではなく、原作では1行しか触れられていないような設定でも、徹底的に調べて、ゲームとしての使用に耐えるようにしているのですから、あなどれないところがあります。
私は『RPGマガジン』のリプレイでしか読んだことはありませんが、ムアコックの『コルム』シリーズのRPGなど、相当、クオリティが高かったと聞いたことがあります。
- 作者: マイクルムアコック,佐伯経多&新間大悟,斉藤伯好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/08
- メディア: 文庫
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さて、『バロン』のRPG版の発表は、これが初めてではないようです。
初版は1999年度のオリジン・アワード(年間ゲーム大賞、昔はH・G・ウェルズ賞と呼ばれていました)を獲っているとのこと。
きっと、何かしら新しいものがあったのではないかと思います。
これまでも、『フォーチュン・クエスト・コンパニオン』、あるいは『キャッスル・ファルケンシュタイン』など、物語の登場人物の手によって記されたRPGのルールブックは存在してきましたが、この作品はその中でもひときわ異彩を放っていると言ってよいでしょう。
- 作者: マイク・A.ポンスミス,Mike A. Pondsmith,桂令夫,滝野原南生,加藤拓弥
- 出版社/メーカー: 国際通信社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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で、ルールシステム的にも、あっと驚くような強力なギミックがしかけられていて、二度びっくりとなるのでは、と期待します(笑)
一見、ミュンヒハウゼンというとマニアックに思われるかもしれませんが、料理の仕方によってはまったくそうならないとも思います。RPGというものは、世界観やイメージを遊ぶゲームという側面が強いので、うまくできていれば、非常に豊かな作品になることでしょう。
現に、White Wolfより発売されていた、“Changeling:the Dreaming”という『ピーターパン』や『ナルニア国ものがたり』、ひいてはラファティの『地球礁』などのような物語を遊ぶRPGは、たいへん優れたものでした。
Changeling: The Dreaming : The Storytelling Game of Modern Fantasy (World of Darkness)
- 作者: Ian Lemke,Jackie Cassada,Brian Campbell,Richard E. Dansky,Chris Howard,Angel McCoy,Neil Mick,Nicky Rea
- 出版社/メーカー: White Wolf Pub
- 発売日: 1997/08/01
- メディア: ハードカバー
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- 作者: R.A.ラファティ,R.A. Lafferty,柳下毅一郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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幸い、日本でも、冒険企画局製作、新紀元社より発売が予告されている『ピーカーブー』など、児童文学的なテーマを遊ぶゲームは増えてきたようですので、今後、『バロン・ミュンヒハウゼンRPG』のような作品も、受け入れられる余地は出来てくるかもしれません。そうなるといいなあ。