セオドア・ローザックの謎の長編


 SFセミナー2009にて、フランスで賞を取ったセオドア・ローザック(『フリッカーあるいは映画の魔』)の長編“The Crystal Child”なるものが存在すると教えていただきました。
 ローザックは本業が大学の先生なので、小説の邦訳は『フリッカー、あるいは映画の魔』しかありませんが、同書がとても面白い作品であるのは、お読みになった方ならばおわかりの通りです。

フリッカー、あるいは映画の魔

フリッカー、あるいは映画の魔

 で、そのローザックの謎の長編がある。ぐぐっても見つからないと言われましたが、案の定、ない。なんなんだこれは。
 とか言っていたら、まずは親切な方がAmazon.frで見つけて下さいました。
http://www.amazon.fr/dp/2749110467


 なんとなく、『ブラジルから来た少年』+『結晶世界』みたいな話なのかしらん、と思ってしまいました。「老い」を主題とした、人間心理に迫る傑作……みたいな評を読むとつまらなそうですが(笑)、ローザックですから、そんなことないと期待したいところ。
 なんか内容的に危険だから(例えが似合うかわかりませんが『ドクター・アダー』とか『オルガスマシン』みたいな?)英語で出ないのかな、とも思ったのですが、そんな雰囲気は、Amazonを見た限りではなさげですかね。


 などと思っていると、id:wtnbtさんが、詳しくリサーチをして下さいました。ありがとうございます。



・賞のページ
http://www.noosfere.com/gpi/


・出版社のページ
http://www.cherche-midi.com/theme/detail-L_Enfant_de_cristal-9782749110462.html


・レビューなど
http://www.cafardcosmique.com/L-enfant-de-cristal-Une-histoire
http://worldcat.org/identities/lccn-n50-49738


 「このページで探して見つからないので、もしかするとフランス語版しかというか オリジナルが刊行されていないのかもしれません。フランスではかなり人気があるみたいですね」とのこと。


 しかし、レビューのひとつめでなぜかPKD御大の顔が。やっぱそっち方面なのかしらん(笑)