ボードゲーム専門誌『GAME LINK』Vol.2にて「戦鎚傭兵団の手柄話」が始まりました。


 『GAME LINK』とは昨年10月に創刊されたボードゲームやカードゲームといったアナログゲームを専門に扱う雑誌で、今回がVol.2になります。

Game Link Vol.2

Game Link Vol.2


 特徴としては、ボードゲーム初心者にもお薦めしやすい付録ゲームが充実している、ということでしょうか。毎号、付録ゲームが付いているのです。
 詳しい内容は公式サイトの説明を見ていただければわかると思いますが「あなたのインストお助けします」といったベテランお役立ちの記事から、入門用のリプレイ・コミックなど、まさに盛りだくさんの内容となっております。


・「GAME LINK」公式サイト(第2号の内容)
 http://sthem.com/gamelink/current.htm


 私たちは創刊号では、エッセン・シュピールというアナログ・ゲームの世界的イベントのために『GAME LINK』1号の付録ゲーム「Merchant Guild」のマニュアルを英訳するという仕事を担当させていただきました。



 第2号ですが、ボードゲームシャドウハンターズ』などで知られる池田康隆編集長の付録ゲーム「Kingdom」に加え、私・岡和田が末席を汚している『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、『ウォーハンマーRPG』翻訳チームの連載記事「戦鎚傭兵団の手柄話」が始まりました。


 「中世の暗闇から這い出した俺たちが、アナログ・ゲームをぶった斬る!」というキャッチが踊っておりますが、どういう記事かと申しますと……。


 かつて『クロちゃんのRPG千夜一夜』という素晴らしい薀蓄記事がありました。
 冒険譚を楽しみながら、アナログゲームの背後にある異文化について、やさしく、奥深く解説をしてくれるという素晴らしい記事でした。


 私たちの連載「戦鎚傭兵団の手柄話」は言うならば、その21世紀版を目指しています。


 90年代の後半から、日本のエンターテインメントの多くは自閉していると言われてきました。
 しかし、アナログゲームはそうではない。
 貪欲に海外の最先端のゲームを輸入し続け、その文化の最良の部分へ常にアンテナを向けてきました。
 そして、アナログゲームはゲーム・システムのほか、題材となる文化についても重要な要素となっています。なぜかというとアナログゲームはユーザーによって「完成させる」遊びだからです。


 もちろんインターネットを駆使すれば、たちどころにゲームに必要な情報を得ることはできます。しかしながら、「戦鎚傭兵団の手柄話」では、その先を目指しています。
 「ネットでは手に入らない、濃い、しかしながら確実にゲームが面白くなる情報を提供する」。
 これが「戦鎚傭兵団の手柄話」の基本コンセプトです。



 連載第1回は「ザッツ・リアル・パンデミック」と題しまして、ボードゲームパンデミックhttp://www.oshiete-kun.net/archives/2009/05/post_575.htmlなどの背景となっている「疫病」について、主に歴史とゲームとの関わりから、徹底的に掘り下げてお伝えします。

(写真は「GAME LINK」公式サイトより)


 記事執筆を担当したのは、阿利浜秀明さん。
 私は内容のチェックなど監修的なお手伝いをさせていただいています。阿利浜さんは「戦鎚傭兵団」のなかでも、西洋史・中国史にめっぽう強く、その博覧強記を活かしながら、読みやすい文体でゲームと「疫病」の関係について洗い出してくれています。


  しかも、それだけではありません。
 鈴木康次郎さんによる「おれらの戦利品」コーナーも入っています。
 「戦利品」とはアナログゲームと他のメディアが交錯したところにある面白い作品をガンガン紹介していくコーナーです。さて、今回は何が飛び出したのか? それは見てからのお楽しみです。


 イラスト担当は見田航介さん。
 「戦鎚傭兵団」の各メンバーの似顔絵や、イラスト・コラムを添えてくれています。
 見田さんは『ルーンクエスト』や『ウォーハンマーRPG』をやりこんでいる優れたゲーマーでもあり、さらに英語もできるという多彩な人。一部ではブレナン者としても知られているようですね。
 なお、見田さんは付録ゲーム「Kingdom」のイラストも描いています。